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シリーズ⑫ 北神ねぎ

●新しい神戸の特産品が学校給食に
 冬季限定で、市内一部の小学校給食にて「北神ねぎ」が使用されています(「すきやき(12月)」「焼きつくねのあんかけ(1月)」「カレーうどん(2月予定)」)。「北神ねぎ」は直径3cm程にもなる極太で背の高い大変立派な白ねぎです。平成25年度から出荷が始まった新しい神戸市北区の特産品で、11~3月上旬に収穫されます。「北神ねぎ」の特徴は、白いところだけでなく青い葉の部分も香り良くおいしく食べられる点にあります。白い部分は煮込むととろりと柔らかく甘くなり、ビタミンCたっぷり。青い部分にはβカロテン、カルシウムが豊富です。

●北区産まれの神戸ブランド
 「北神ねぎ」の検討が始まったのは平成24年。JA兵庫六甲神戸北営農総合センターが「北区で新しい神戸ブランド野菜をつくろう」と、地域の組合員らと共に取り組み誕生しました。立ち上げにあたっては、薬剤の使用などについて安心・安全面における厳しい栽培基準を設けました。初年度はこれに賛同した30名程が栽培グループを組織。講習会を開くなど、品質の向上に向け研究を重ねました。米や他の野菜が終わった冬場に収穫・出荷できる野菜ということで、地域の農業生産者からは好意的に受け入れられ、現在、北区には50名を超える「北神ねぎ」生産者がいます。太さと長さで一定の基準(太さ3cm前後、長さ80cm以上、白ねぎの部分20cm以上、2本で450g前後)を満たしたものを「北神ねぎ」と呼びます。出荷先は市内道の駅をはじめ17カ所。地域の「北神」を冠した新しいブランドは地元消費者からも支持を得て、季節限定ということもあり店頭での人気は高く、早々と完売してしまうことが多いそうです。※学校給食には、給食用規格に合わせたサイズでの出荷をお願いしています。

●生産者の愛情を注ぎこんだ
 北神ねぎ栽培グループの初期メンバーである藤原さんは、初年度から毎年欠かさず学校給食用に「北神ねぎ」を出荷してくださっています。
 藤原さんのねぎ作りは5月の種まきから始まります。育った苗は7月下旬に露地の圃場に定植(畑に苗を植えること)します。
 「芽が出るまではやっぱり心配です。無事に発芽したらほっとしますねぇ」。
 栽培期間中はねぎが成長するごとに根元に土をかぶせます。この作業は土寄せといって、ねぎの白い部分を長く太く生育させるためです。
11月も下旬を過ぎると収穫が始まります。寒く厳しい環境にさらされることで甘味ととろみが増すため、一年で最も気温が低くなる1~2月は、ねぎが一番おいしくなるのだそう。
 収穫作業はお昼から。気温が上がり、夜の間に野菜の表面に付いた露や霜が乾いた頃を見計らって始めます。「北神ねぎ」の白い部分は30cm程が土に埋まっているため、傷をつけたり大きな葉を折ったりしないよう気を使いながら、スコップで掘り起こします。
 収穫後は作業場でサイズの選別、根切り、皮むき、袋詰めまでを、夫婦2人で行います。今期は250ケース(8kg/1ケース)ほどの出荷を予定しているとのことです。

 「北神ねぎ」は出荷量に限りがあるため、現在、市内の一部小学校での提供に限られています。藤原さんをはじめ栽培グループの皆さんは、将来的に作付け面積と出荷量を増やして、ブランドの向上と地産地消の推進へも一層貢献していきたいと考えています。 

つくる人代表

 栽培グループに参加する約50名のうち、学校給食用に「北神ねぎ」を栽培しているのは1~5名(年度による)。藤原さんは初年度から欠かさず学校給食用に出荷してくださっているただ一人の生産者です。普段ご自宅では、鍋や煮込み料理にして召し上がっているそうです。

藤原貞男さん
JA兵庫六甲 北神ねぎ栽培グループ所属
「さぶ(む)くなると、ねぎがおいしくなるからうれしいです。」

「北神ねぎ」のふるさとを紹介

 神戸市は、約152万人が暮らす大都市でありながら、市街地のすぐ隣には緑豊かな里山や農村地域が広がる魅力的な街です。北神ねぎはここ神戸の北側に位置する「北区」で生産されています。
 北区は昭和48年、兵庫区から分離し誕生しました。その広さは約240平方キロメートル、市全体のおよそ44%を占めます。これは大阪市がすっぽり入ってしまう程の広大さです。そのため神戸電鉄鈴蘭台駅近くにある北区役所へのアクセスは、北区全域から見ると決して便利とはいえない状況でした。
 そこで神戸市は平成31年、北区役所に加え「北神区役所」を設置。ひとつの行政区に2つの区役所を置くのは全国初となる事例です。区民の利便性を良くし、行政サービスを充実させるのが狙いです。現在、北神区役所は北区役所から10キロ以上離れた場所(神鉄岡場駅前)にあります。北区民であれば、各種手続きがどちらの区役所でも利用可能です。
北神区役所の管内には、ニュータウンの他、豊かな農村地域が広がり、歴史的な建造物や茅葺(かやぶき)民家が数多く残されています。
 □北区役所(本区、山田町)
 □北神区役所(有野・有馬・八多(はた)・道場・長尾・淡河(おうご)・大沢(おおぞう)町)

マップで見る神戸の農漁業

マップで見る神戸の農漁業(クリックで拡大)

 
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