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シリーズ⑬ キャベツ

 神戸産キャベツは2種類。冬キャベツと春キャベツです。これらのキャベツは、市内学校給食で積極的に利用されており、「けい肉のしょうがじる」「みそラーメン」「野菜のドレッシングそえ」「ちりめんキャベツ」など多彩なメニューで子どもたちに提供されます。なお、給食で使用する神戸産キャベツは化学肥料や化学合成農薬の使用を通常栽培より減らした「こうべ旬菜」です。

●親の背を見て育った若手就農者
 西区岩岡町でキャベツを栽培する藤原秀旨さんは、農家の三男として生まれ、26歳で父親から農家を引き継ぎました。現在44歳の若手生産者です。以前は会社勤めをされていたそうですが、実家が専業農家だったこともあり、「小さい頃から親の背中を見て育ったので、外に出て働くより、こうして自営で農業をしている方がしっくりくる」そうです。代替わり後も、たまに父親が畑に顔を出し、一緒に作業することもあります。

 引き継いだキャベツ畑は当初4ヘクタール。徐々に規模を拡大し、今は6~7ヘクタールを耕作しています。2月現在、一面に広がる圃場には、出荷を待つキャベツが隙間なく整列、朝日に照らされぴかぴかと輝いていました。これらは7月に種から苗を作り、8月に定植(苗を植えること)したもの。「最近は猛暑でしょ。苗づくりも定植も難しくなってるし、一緒に働く人たちの体調管理にも気を付けないといけない」。定植が上手くいった後も虫や雑草に気を付けるし、排水管理で土のコンディションにも気を遣うなど、収穫まで手塩にかけてキャベツを育てます。天候が品質や収穫量に大きく影響するため、いつも天気と気温を見ながら作業をするタイミングを見計らいます。また品質のよいものを作るために、有機肥料、牛ふんの堆肥を使用しているのだそうです。

 収穫作業は専用の包丁を使い手作業で。現在は1日100ケース程を出荷していますが、生育のよい春キャベツの時期になると日に350ケースにまで増えます。藤原さんの畑で作業をするのは3~5人で、ピーク時は一人当たり70ケースにもなります。1ケースはだいたい10~12kgぐらい。今年は400トンの出荷を予定しています。

 キャベツはビタミンC、ビタミンK、カロテン、カルシウムなどを豊富に含む、栄養価の高い野菜。なかでもビタミンUは、キャベツから発見された胃腸薬の成分としても有名です。

つくる人代表

 「地元で採れた新鮮でおいしい野菜なので、たくさん食べて、健康な体を作ってください。」

 藤原さんが部会長を務めるJA兵庫六甲の「神戸西こうべ旬菜きゃべつ部会」では、講習会の実施や会員の圃場視察など、日々品質と技術の向上に努めています。
 「農業は働いた分だけ成果が見える。それだけのやりがいがある。持続的にやって、次世代につなげたい」。
 藤原さんは農業の未来にも貢献したいと考えています。県の農業改良普及センターを通じた新規就農者への支援活動にも取り組んでいます。

藤原秀旨さん(西区岩岡町)
JA兵庫六甲 こうべ旬菜きゃべつ部会 部会長

岩岡町を紹介します

※神戸市西区ホームページより転載

「岩岡町の見どころ」
*クリックすると神戸市のページへジャンプします。

 神戸市の最西部に位置する岩岡町。町内には印籠池やのどかな農村風景が広がっています。農業が盛んになったのは、明治以降の淡河・山田疎水や東播用水の完成からです。なかでもキャベツは昭和22年頃から酪農との複合経営で推進、キャベツの残しと牛ふんをリサイクル資源として交換し活用することで環境保全にも貢献してきました。現在も有機減農薬栽培の導入で、安全で美味しいキャベツづくりが進んでいます。岩岡町では他にこまつなやイチジク、じゃがいもなど多くの作物が栽培されています。文化面では、岩岡神社の秋祭りや、秋田・上新地の獅子舞などの歴史資源にも恵まれています。一方で未来ICT研究所(国立研究開発法人情報通信研究機構)といった最先端技術の粋を集めた施設があり、地域のシンボルとなっています。(※神戸市西区ホームページより)

 
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