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シリーズ⑯ 姫とうがん

小学校給食では、9月に「とうがんスープ」が提供されました。
季節の食材を使った料理として年に一度提供される、旬の味です。

●地産地消の新たな試み
今年は地産地消の新たな試みとして、一部の学校で、初めて神戸産の姫とうがんを使用することになりました。普通のとうがんの3分の1ぐらいの大きさですが、味は普通のとうがんと変わりません。
今回の姫とうがんは3月中旬から4月中旬に種まきしたもので、8月中旬から9月に収穫されます。給食用として約2アールの畑で栽培し、200kgほどを収穫予定でした。
栽培するときは、ストレスを与えないように、できるだけ葉や茎、つるを触らないように気をつけているそうです。
けれど、今年は例年より梅雨入りが早く、雨が降れば大雨となり、栽培には厳しい状況でした。
そのため給食では、姫とうがんを10校提供の予定でしたが、2校のみとなりました。

 

左は姫とうがんの赤ちゃんです。
実の先にはまだ花がついています。
花は黄色で、小さい実には細い銀色のうぶ毛がたくさんついています。このうぶ毛はやわらかそうに見えますが、意外としっかりとしています。
熟してくると、このうぶ毛が落ちてツルツルの表面になります。
完熟すると全体が白っぽくなり(ブルーム)、食べごろになります。

とうがん農家の方から子どもたちへ、
「とうがんを食べることはなかなかないと思いますが、高級料理店でもよく使われる食材ですので、この機会に食べて、家でも料理してもらってください。」
とおっしゃっていました。

 

●大きいとうがん、小さいとうがん
収穫された姫とうがんは、JA兵庫六甲を経由して、中央卸売市場に集められます。
そして、他の野菜や食材と一緒に各学校ごとに仕分けられ、配送されます。

傷まないように、気をつけています。

普通のとうがん約3kg(左)と、姫とうがん約1.5kg(右)
大きさを比べると、ずいぶん違います。

 

今年は普通のとうがんも長雨の影響で、大きさは少し小さく、収穫量も少なめだそうです。
この日のとうがんは岡山県牛窓産です。

 

●おいしく食べてもらうために
学校では、卸売市場から届いた姫とうがんをチェックします。
数量があるか、傷や変色など傷んだところがないか確認します。

1.表面の汚れをよく洗います。

2.大きいので、たてに4分の1に切り、皮、わた、たねを取り除きます。そして食べやすいように一口サイズに切っていきます。

 
 

3.釜で、他の食材と一緒に煮込みます。おいしそうなにおいがしてきます!

4.できあがり!

調理士さんが、子どもたちにおいしく食べてもらえるように、頑張って作ってくれました。

 

いただきます!
子どもたちは神戸産の姫とうがんと聞いて、興味深々でした。

今年は2校の子どもたちだけに味わっていただく結果となりましたが、来年はもっと多くの子どもたちに提供できればと思います。

◆とうがんの特徴
・名前の由来
とうがんは夏が旬の野菜で、暑い季節に収穫されますが、冷暗所に保管していれば “冬まで日持ちするウリ” ということから「冬瓜(とうがん)」とついたそうです。
・種  類
ウリ科 とうがん属
・原産地
東南アジアやインド
・見た目
形は俵型で、皮は濃い緑色で硬く、果肉は白色で肉厚です。
・栄 養
95%が水分で、低カロリーですが食物繊維はたっぷりです。カリウムを多く含むのでナトリウムを排出する働きがあり、ビタミンCも多く含まれています。
・味・食感
味にくせがないので、いろいろな料理に使えます。熱を加えると、とろりとした滑らかな舌触りになりますので、煮物やスープにするのがおすすめです。
また、お砂糖で煮てお菓子として食べることもあるそうです。
☆日本では平安時代から食べられており、古くから親しまれてきた野菜のひとつです。
☆実の部分以外の皮やたねは生薬(薬の原料)にもなります。

 
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