2021.01.15 給食でたべる神戸産 農福連携の取組(たまねぎ) 美しい里山に囲まれた神戸市北区淡河町で、障害者支援施設 上野丘更生寮の寮生が作ったたまねぎが令和2年度から学校給食に提供されています。 上野丘更生寮は令和元年度に「こうべ給食畑推進事業(神戸市経済観光局農水産課)」に参加しているJA兵庫六甲の学校給食たまねぎ部会に参加し、給食用のたまねぎを作るようになりました。 また、平成26年度から、市内の体育施設で不定期に開催される「野菜市」で、生産した野菜などを自ら販売する事業にも参加しています。 このように、障害のある方が農業分野で活躍することを通じ、社会参画をしていく取組を「農福連携」と言います。 今回、令和2年11月に、来年のたまねぎの収穫に向けて、苗を植付けするところを見せていただきました。 上野丘更生寮では、給食用に「ターザン」という糖度が高い、甘い品種を生産しています。 昨年は一般販売用と給食用と、耕作面積を半分ずつにしていましたが、今年は全て給食用にし、耕作面積も増やしたそうです。 苗は棒に沿って、10cm間隔で植えていきます。 40人で一斉に手植えをしました。 物を運ぶのが得意だったり、物をきれいに分けることができたり、苗を丁寧にきっちり植付けることができたりといった、寮生のそれぞれの特性に応じた作業をすることにより、スムーズに分業を進めることができます。 寮生たちが作業を終えた後には、広い畑に等間隔できれいに植えられた苗が青々と風になびいています。 植え終わったあとも、イノシシなどからたまねぎを守るために、寮生で畑の周りに電気を流すワイヤーをめぐらせます。 また、草刈り機を使いこなすのが上手な寮生が、イノシシが山から下りてきたときに姿を隠しにくいように、背の高い雑草をどんどん刈り取っていきます。 他にも色々と寮生が大切に世話をして、給食用のたまねぎを育てています。 お話を伺った、 社会福祉法人 上野丘さつき会 障害者支援施設 上野丘更生寮 右)施 設 長 小林 譲次さん 左)生活支援員 樫原 茂憲さん 最後に小林さんと、樫原さんは、 「今年は天候が良く、たまねぎが育ち過ぎて、給食用に出荷できるサイズが少なかったですが、来年の収穫に向けて耕作面積も増やしましたし、肥料や栽培方法を勉強したり 、作業内容を見直したりしてノウハウを積んで、おいしいたまねぎをたくさん育てたいですね。 今は手植えなどの手作業が多いですが、機械もどんどん取り入れていきたいです。 障害のある人も、特性に合わせた道具などを使えば、しっかりと作業をすることができます。地域における農業の一翼を担い、子どもたちにたくさんのたまねぎを提供できるように頑張ります。」と、おっしゃっていました。 6月にはおいしいたまねぎが食べられそうですね! 社会福祉法人 上野丘さつき会 障害者支援施設上野丘更生寮 「上野丘さつき会」のページへ移動 ゴルフコース管理や農作業を中心に、自然に親しみながら豊かな心と体力を養うことを目的とし、障害のある人も、人としての働く喜び、生産する喜びを実感し、どこまでもやり通す忍耐力と自主性を養い、社会人として自立するための自信と意欲を身に着けるための支援をしています。 ※上野丘更生寮は「きたベジねっと」にも参加し、お米や様々な野菜、加工品を福祉の店や道の駅、直売所などに出荷されています。 「きたベジねっと」のページへ移動 また「北神みそ」用の白大豆を生産し、みそづくりにも貢献されています。 「神戸っ子みそづくりプログラム」のページへ移動 お米の収穫 「北神みそ」用の白大豆 神戸市内体育施設での「野菜市」 農福連携について 農福連携とは、障害者等が農業分野で活躍することを通じ、自信や生きがいを持って社会参画を実現していく取組です。 農福連携に取り組むことで、障害者等の就労や生きがいづくりの場を生み出すだけでなく、担い手不足や高齢化が進む農業分野において、新たな働き手の確保につながる可能性もあります。 「農福連携の推進」→農林水産省のページへ移動 Tweet Share