2021.11.16 給食でたべる神戸産 シリーズ⑰ 神戸産野菜を使った新食材 10月21日と29日に中学校給食で、神戸産の野菜を使った新しい食材を提供しました。 「神戸産野菜チキンしゅうまい」と、「神戸産玉ねぎ入り鶏つくね」です。 学校給食用の新規食材の選定や登録は、学校給食登録業者からの応募を受け、神戸市教育委員会が主催する「食品選定委員会」で決定します。 今回の食材は1年前から企画が始まっています。学校給食用に開発するにあたり、製造メーカーの方が、「作るなら地産地消の推進・食品ロス削減の観点から、神戸産の、学校給食で使用できない大きさや形の野菜を使用したもので作りたい」と提案され、学校給食会が野菜調達の調整役を担い、JA兵庫六甲にご協力いただき、製品化しました。 ◆神戸産野菜チキンしゅうまい 学校給食に携わっている栄養教諭から、神戸市内産の野菜を使用した加工品の要望があり、実現した食材です。 国産の鶏肉と4種類の神戸産野菜(キャベツ・小松菜・玉ねぎ・ニラ)を使用し、野菜の甘味を引き出しながら、ニラでしゅうまいの中華アクセントと鶏肉の雑味を消すといった効果を活かし、野菜の配合比を調整しています。 また、給食用ですので、化学調味料・添加物は使用していません。子どもたちがより安心して、おいしく、食べやすいように仕上げました。 新しい食材を作るときは、様々な苦労があります。 ニラは一年中収穫できますが、今回のしゅうまいで使用できるニラが4月収穫分のみであることがわかり、それに合わせて急いで他の野菜を調達する必要がありました。 しかしすぐに調達できるわけではなく、天候によって収穫日がずれたり、どれぐらいの量を収穫できるかにもよるので、調達した後の、しゅうまいを製造する時期をいつにするかが課題でした。 また、野菜の占める割合が多いと、解凍時に水分が抜けるため、加工工程にひと手間加え、味や食感はもちろん、どうすれば一番良い状態で給食に出せるか、試行錯誤をくり返し、提供できることになりました。 熱い志を持って取り組んでくださった工場(所在地:神戸市)の皆様や、様々な分野の人たちの協力により完成した食材です。おいしく味わっていただけましたでしょうか。 ・製造メーカーの方からのメッセージ 「海と山に囲まれた神戸の自然に育まれた食材がいかにおいしい食材であるかを感じ取れるよう、食材の旨味を損なわないように配慮し製品化を心がけています。 食べた人が幸福感に包まれるように願うと同時に、コロナ禍では「おいしいね~!」という会話は控えないといけないかもしれませんが、心の中でつぶやいた「おいしいね~!」が未来の神戸や日本の食文化に繋がるよう願い、更においしいと感じていただける製品を生み出せるよう、これからもがんばります。」 ◆神戸産たまねぎ入り鶏つくね 兵庫県産の鶏肉と神戸産玉ねぎを使用しています。 どちらも地元産の食材を使用し、地元の給食で消費することによって、地産地消の推進につながります。 工場では、玉ねぎの水分量により味や食感が損なわれないよう配合比を調整し、食べたときに“玉ねぎ”の存在を感じられるようにしました。 凍結:らせん状の急速凍結機を使って30分間で一気にマイナス20℃まで下げることにより、バラバラの状態で素早く凍結出来ます。それにより解凍の手間がなく、時間短縮になります。 袋詰め:コンピューターで自動的に重量を計測し、異物の付着や色彩など異常がないか検品を行ってから、袋に詰めていきます。袋詰め後も、金属探知・重量チェッカー・X線探知機等の検査をし、出荷されます。 今回の鶏つくねは、今までは玉ねぎの産地を限定せず「兵庫県産鶏つくね」として使用されていましたが、このたび初めて神戸産限定の玉ねぎを使用して製造するため、安心して調理し、おいしく食べてもらえるよう、調査と確認を十分におこなっています。 使用する神戸産玉ねぎは保存できる期間が短い品種であるため、給食での使用日と使用量から玉ねぎの必要量を割り出し、生産計画を立てる必要があったので、その日程調整に苦労しました。 また、玉ねぎの皮むき業者が市内で見つからず、淡路島の業者で皮むきをしてもらうなど、様々な方にご協力いただきました。 生産する上でどうしてもできる規格外品の野菜を加工品に使用することで食品ロスを防ぎ、通常は繋がることのない兵庫県で育てられた鶏肉と神戸市で育てられた玉ねぎを繋ぐことで、更なる地産地消を推進し、生産者の“農家さんを応援したい”という熱い想いが詰まった食材です。 今後給食に提供される食材について、そういったことも考えながら味わってもらえたらと思います。 ・製造メーカーの方からのメッセージ 「現在の食べ物は『いつ』『だれが』『どのように』して作ったのか、または採れたのかが目に見えず、わかりにくいと思います。でも学校給食での地産地消と言われる食べ物はみなさんの身近な所で採れて作られた食べ物です。このような食べ物を給食で食べることができるみなさんは本当に幸せだと思います。 また、地産地消や郷土料理などはその地域の風土や歴史・文化がいっぱい詰まっています。給食を食べながら、みなさんの住んでいる地域ではどんな野菜や肉・魚などが盛んに育てられたり採れたりするのか?なぜ、盛んなのか?など、食べながら考えたり、食べた後に調べてみたりするといろいろな発見があり本当に楽しいと思います。 ひとりでも多くの方に”食”について興味を持って頂けたら幸いです。」 Tweet Share