2023.01.18 給食でたべる神戸産 シリーズ㉑ 神戸産しらす干し その② 神戸産しらす干し その① へはこちら ③二次加工:強化選別(加工事業者) 漁港で一次加工されたしらす干しは、荷受問屋を通じて、加工業者に卸されます。 加工場は神戸中央市場の中にあります。 ここでは、より厳しく異物などを選別し取り除いて、箱詰めをします。 まず加工場の中に入るために、徹底した衛生チェックを行います。 清潔な白衣・帽子を着用する、手洗い、消毒、ローラーがけ、エアシャワーと、加工場内に異物を持ち込まないようにします。 衛生チェックスペース 30秒以上の手洗いと消毒 ローラーがけ ローラーで体についたほこりなどを取ります。 エアシャワールーム 風を衣服などに当て、付着したほこりや髪の毛などを取り除きます。 しらす、ちりめんじゃこ専用の大きな選別機です。元は茶葉を選別する機械を改良して使用しています。 全ての工程をこの選別機1台で行うことができます。 1. 金属除去 2. 振動・風力で選別 3. 色彩で選別 4. 目視で選別 5. 金属探知機を使う 6. 軽量・箱詰め 1. 金属除去 とても強力なマグネットで鉄くずなどを取り除きます 2. 振動・風力で選別 振動型異物選別装置(サイズ+比重)で軽量異物・重量異物を取り除きます。 選別させる前に「これが良品」というのを機械に覚えさせます。ベルトコンベアを振動させ、軽いものは風で吸引し、重いものは小さい穴から落下させるようになっています。 ・軽量異物・・・アミエビ・稚ガニ・毛髪・粉など ・重量異物・・・石・たこ・いかなど 3. 色彩で選別 画像式(色彩+形状)、異物選別装置(3CCDカメラ)で、形状+色彩+色分布検査によって異物を取り除きます。 色彩選別では、3CCDカメラで色を判別します。白色なら、しらすとして通しますが、ウオノエのような背中が赤色でお腹が白色のものがいると、カメラがお腹だけを見て「白色だから、しらす!」と判断してしまうのをさけるために、上下両方に色彩カメラを2台ずつ取り付けて、異物を逃さないように工夫しています。色のついた異物は、エアガンで取り除きます。 4. 目視で選別 ベルトコンベア上で、目視で異物を取り除きます。 目視でも選別します。機械では判断できないようなもの、例えば、白いちりめんモンスター(しらす以外の生物の総称)や白いプラスチックなどの異物は、人間の目でしかわかりません。 この仕事は流れていくしらすをずっと見ているので、1時間毎に交代します。ベルトコンベアが止まっても動いているように見えるそうです。 ちなみに、この仕事を担当される人の面接をするときは、ジェットコースターに乗っても大丈夫かどうか聞くそうです。体調をくずす人は三半規管が弱く乗り物酔いの状態になってしまうからだそうです。 5. 金属探知機を使う Fe(鉄)とSus(ステンレス)を取り除きます。 6. 軽量・箱詰め 重さを量り、箱に詰めていきます。 選別したしらすは自動軽量器のところまで流れて箱に入っていき、5キロになると自動的に止まるようになっています。 封をし、「選別済」のハンコを押して出荷します。 お話をお聞きした、 (左)加工業者の岡本さん (中)学校給食用食材納入業者の小泉さん (右)荷受問屋の鍋島さん 加工業者の岡本さんは、 「給食に提供するしらすは、子供たちへ安心・安全なしらす干しを届けるため、細心の注意を払って選別しています。最近は海洋汚染となるプラスチックなどが多く紛れるので、とても気をつかいます。色がついていれば見た目ですぐにわかるので取り除けますが、白いプラスチックで小さなものになると、よーく見ないとわかりません。だから子供たちには、『海にゴミを捨てないで!!』とお願いしたいです。 海だけではなく、その辺の道ばたにゴミを捨てても、雨が降れば雨水と一緒に下水や川に流れ、海までやってくる間にどんどん細かく割れていく。海についたら魚がエサと間違えて食べてしまったり、漁のときに一緒に獲ってしまったりする。そうなると、注意して選別していても、素通りしてみなさんの口までいってしまうこともあるかもしれない。自分の捨てたゴミが、自分に帰ってくるんです。 だから、『海にゴミを捨てないで!!』というのは、そういうことなんです。」とおっしゃっていました。 学校給食用食材納入業者の小泉さんは、 「今回いろんな方のおかげで、本当に良いタイミングで神戸産しらす干しを給食に提供できることになりました。どの業者の方が欠けても、できないことでした。みんなの努力のたまものですので、神戸産のおいしいしらす干しをしっかり味わってほしいです。」とおっしゃっていました。 神戸の学校給食では、米は100%神戸産、野菜についても「こうべ旬菜」を優先的に使用するほか、「こうべ給食畑」のにんじん、じゃがいも、玉ねぎも多く取り入れています。 このたびは、神戸の南に広がる恵まれた海からの、栄養たっぷりのしらす干しを学校給食に初めて提供できることになりました。 今回、しらす干しに関わってくださった方たちの想いを感じながら味わって食べてほしいです。 Tweet Share