2019.12.13こうべの食育 「神戸っ子 みそづくりプログラム」 ~北神みそづくり×神戸の魅力を体験~① 多聞南小学校3年生の子どもたちが、兵庫六甲JA神戸北女性会(一般社団法人北神みそ)の協力の下、みそづくりと大豆の収穫を体験しました。これは(一財)神戸市学校給食会が、学校での食育を支援するためのプログラムのひとつ。食を通じた多様な経験や、地域の様々な人々や活動との出会いの機会を提供するものです。 「すがたをかえる大豆」が地産地消のみそになる 市内の小学3年生が使う国語の教科書に「すがたをかえる大豆」という単元があります。大豆はみそやしょうゆ、きな粉、豆腐などいろいろなものに姿を変え、食されます。大豆が日本人の生活には欠かせない食材であること、栄養面でも重要な役割を果たしていることを学ぶ、食育にもつながる大切な学習です。今日はその大豆が変化する様子を体験します。 最初は、兵庫六甲JA神戸北女性会(以下、女性会)会長の中西さんからみそづくりについてのお話。プロジェクターでみそづくりの場面をひとつひとつ紹介しながら、大豆がみそになるまでの過程の説明があり、子どもたちは熱心にメモを取っていました。 「今日は『糀(こうじ)』という漢字を覚えて帰ってくださいね。この糀がおいしいおみそをつくる素なんです」。今日のみそづくり体験で使用するのは、ここ北区で作られた大豆とお米。糀とはお米が発酵したもので、大豆の発酵を促し、みその甘さの決め手となる肝心要ですから、中西さんの説明にも力が入っていました。「糀の力で大豆は、1年という長い発酵の時間をかけて、おいしいみそになるんです」「そんなに長いの?」。子どもたちからは感嘆の声が漏れました。 作業室へ足を踏み入れると、すでに大豆が蒸しあがっていて、いい匂いが充満しています。やわらかくなった大豆を機械にかけ、すりつぶす様子も見学することができました。 女性会の西さんの指導で、子どもたちは5~6人のグループに分かれ、つぶした大豆と糀、塩、大豆のゆで汁をよく混ぜ合わせます。これがまたとても力のいる作業でしたが、子どもたちは元気よくこなし、場はにぎやかで楽しい雰囲気に包まれました。お手伝いいただいた女性会の皆さんも、一緒に喜んでくれていました。よく混ざったところで、大きな「みそ玉」を作りました。「混ぜる時は力がいって大変だったけど、楽しくできた」と、子どもたちみんな笑顔でした。 みそ団子は、女性会の方たちが、空気が入らないようつぶしながら容器に詰め、お土産の樽2つを用意してくれました。これを学校で1年間保管すると、発酵、熟成が進み食べ頃を迎えます。みんなで力をあわせてつくったみそはどんな味がするのでしょうか。来年のお楽しみです。 最後に、北神みそを使ったお味噌汁がふるまわれました。さつまいも、たまねぎ、にんじん、だいこんなど北区産の野菜がたくさん入って食べ応えのある一杯。「いろんな味がするし、おみそが甘くておいしい」と、お代わりの鍋の周りには子どもたちが殺到、あっという間に空になりました。→大豆の収穫体験はこちら 神戸っ子みそづくり プログラムについて 子どもたちの食を取り巻く状況が大きく変化し、学習指導要領や学校での食育推進の指針を示す「食に関する指導の手引き」(平成31年3月)が改定されました。学校における食育の一層の推進が求められていることを受け、(一財)神戸市学校給食会ではそれを支援するため、今年度新たに本プログラムを実施しました。くわしくはこちら 兵庫六甲JA神戸北女性会の取り組み 「北神みそ」の取り組みは、昭和40年代後半の減反政策により、大豆の生産とみそづくりに着手したのがはじまりで、「北神みそ工房(平成17年)」開設を経て現在に至ります。北神地域でとれた大豆と、北区産の米で作る糀を原料に、無添加にこだわった「北神みそ」を製造する。このことが地域の伝統・文化の継承にも一役買い、消費者の信頼と期待に支えられた地域ブランドへと成長しました。平成22年、地域活性化への功績が評価され、神戸ソーシャルベンチャーアワード優秀賞を受賞しています。みその加工・生産にとどまらず、地域の人たちに地産地消の素晴らしさを知ってもらいたいと、毎年たくさんのみそづくり体験を受け入れ、積極的な食農教育を展開しています。平成30年には、さらなる事業の充実をめざし法人化し(一般社団法人北神みそ)、現在は会長の中西和子さんを含む51名で活動中。「北神みそ」は市内道の駅、JA兵庫六甲の各直売所などで購入することができます。 Tweet Share