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  • こうべの食育

農業体験「ル*ル*ルプログラム」にんじんの収穫

 北須磨小学校3年生の子どもたちが、JA兵庫六甲の協力の下、にんじんの生産について学習しました。これは(一財)神戸市学校給食会が、学校での食育を支援するためのプログラムのひとつ。野菜の収穫体験、地域の様々な人々や活動との出会いの機会を提供するものです。

 この日は雨天のため、プログラム内容を変更して実施。午前はJA兵庫六甲神戸西営農総合センターでにんじんについて学習、午後はセンター内の見学と、にんじんを栽培している圃場の見学へ出かけました。

午前は「にんじん」について学習しました

 室内学習では、西区でにんじんを栽培している生産者の方に来ていただきました。
 藤田聡さんと澤田正行さんです。
 お二人は、にんじんはどうやってつくられるのか、どんな工夫をしているのか、どんなことに苦労しているのか、そして農業のやりがいについてなどのお話をしてくださいました。

(左)JA兵庫六甲 神戸西学校給食部会 にんじん部会長 藤田聡さん
(右)同 にんじん部会員 澤田正行さん (にんじん圃場の所有者)

 澤田さんが子どもたちににんじんのお土産を持ってきてくれました。朝、土から抜いたばかりの採れたて新鮮、たくさんの葉がついたままのにんじんです。
 子どもたちは澤田さんのにんじんを手に、におい・色・形などを観察しました。藤田さん、澤田さんも子どもたちの中に入って、質問に答えていただきました。

 質疑応答タイム。
 「どうしてオレンジ色をしているの?」
 「どうして横に線が入っているの?」

 「オレンジ色は、植物が身を守るための栄養素の色。にんじんにはとてもたくさんの種類があって、紫色や赤色もあります。畑でも、白いのが採れることもあります」
 「にんじんが土の中で育っている間、雨が少ないと横に線がはいりやすくなります。これがなければ農家は助かるんだけどね」
 藤田さん、澤田さん、JAの職員の方が丁寧に解説してくださいました。

 室内学習の締めくくりは、JAの職員の方による農業クイズ。神戸市民のうち、農業に携わる人の割合はどのくらいか、神戸市の特産品はなにか、などが出題され、子どもたち皆、元気よく取り組めました。特に、こうべ旬菜の「菜菜ちゃんマーク」が出されると、子どもたちから好反応が起こりました。「知ってる!」「テストに出た!」「教科書に載ってる!」 。日頃から学校で取り組んできた食育の成果はバッチリでした。

午後からはJA兵庫六甲の施設を見学しました

畑には、お店に並ばないにんじんがたくさんある

 雨天のため収穫体験は中止になってしまったものの、雨が少なかったので、給食用のにんじんを作っている澤田さんの圃場を見学させてもらいました。

 圃場には、出荷できなかったにんじんが残されていました。どれもこれも店頭でみかけるにんじんとは違います。
 「にんじんは、土から抜いてみるまでどんな形になっているかわからない」と澤田さん。
 子どもたちは色々なかたちやサイズのにんじんを持ち上げてみては、楽しそうにしています。

 「これ、食べられるよね?」
 子どもたちから素朴な疑問の声があがります。
 「みんなに食べてもらうにはいろんな決まりがあるんやな。サイズが小さすぎたり大きすぎたりするもの、先が二股三股になっているもの、傷がついているもの、割れているものは(出荷に)出せないんだよ」と澤田さん。
 「形が悪くても、サイズが小さくても大きくても、味は皆同じ。一生懸命作ったものだから、加工品などに工夫して使ってもらえたらうれしいんやけどな」。

 学校給食では毎日、一度にたくさんの食数を調理しています(約10万食/日)。短時間で給食を作るために、野菜の下処理や裁断を機械に頼らなくてはならない場面が多くあります。そのためサイズや形状を、機械に合わせる必要があり、これが学校給食としての規格を決めるひとつのめやすになっています。神戸市学校給食会では、こうした規格から外れた野菜の有効利用について神戸市、JA、学校給食登録業者とも検討を重ね、給食用加工品を開発しています。にんじんでは「キャロットはんぺん」「にんじんパン」の実績があります。

 北須磨小学校ではウサギを8羽飼育しています。今日は澤田さんから、ウサギにもお土産をいただいて帰りました。

にんじん生産者・澤田正行さんからメッセージ

 「僕が所属しているJA兵庫六甲の給食部会・にんじん部会には6人が参加しています。給食用のものを作るからにはと、いつも安心安全を心がけているし、部会員みんな強い思いをもって取り組んでいる人たちばかり。今日はなんとか無事、畑を見てもらえてよかった。農業を身近に感じてもらえたんじゃないかと思う。現場にはいろんな形のにんじんがあることを知ってもらえてよかった。子どもたちはこういうおもしろいのが好きだから、喜んでもらえたね。食べてくれる人の顔はなかなか見られないけれど、頑張って作ったにんじんだから、食べて『おいしかった』と言ってくれたらうれしい。」

澤田正行さん(西区平野町)
JA兵庫六甲 神戸西学校給食部会 にんじん部会員

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