2025.03.7こうべの食育 「神戸っ子みそづくりプログラム」~北神みそづくりを体験~ 「神戸っ子みそづくりプログラム」 ~北神みそづくりを体験~ 「神戸っ子みそづくりプログラム」は、児童が、神戸市北区産の大豆と神戸市北区産の米でできた糀(こうじ)を原料に、日本の伝統食である「みそ」づくりに挑戦し、地産地消の大切さを学ぶプログラムです。 3年生の国語の授業で「すがたをかえる大豆」を学んだ流れで、実際に「みそづくり」を体験し、教科書だけでは得ることのできない、様々なことを学びます。 講師は、神戸ブランドの「北神みそ」を、糀の仕込みから全て手作業で行い、長年生産している「兵庫六甲JA神戸北女性会」の皆さんです。 協力:兵庫六甲JA神戸北女性会(一般社団法人 北神みそ)(以下「女性会」)、JA兵庫六甲 <みそ工房での体験> 実施日:令和6年11月15日(鹿の子台小学校)、11月18日(玉津第一小学校)、11月19日(名谷小学校)、12月16日(だいち小学校) 場所:JA兵庫六甲本店 ふれあい会館「北神みそ工房」(神戸市北区有野中町) プログラムは、代表児童の挨拶で始まりました。 「今日はみそづくりを実際に体験できることを楽しみにして来ました。しっかりお話を聞いて、がんばりたいです」 まずは、みそづくりのビデオを鑑賞しながら、みそについて学びます。 「みそのわかる本」をみんなで読みながら、みその歴史や、みそをつくる工程などについて学びます。 女性会の中西会長から、メッセージがありました。「みそは、1000年も前から食べられ、免疫力アップや腸の調子を整える作用があると言われています。日本の文化であるみそ汁を、これからも大切にしましょうね」 「みそのわかる本」 お米を2晩(48時間)かけて加工して糀を作り、塩と混ぜると塩糀に 蒸す前の硬い大豆(左奥)、できあがった塩糀(手前左)、蒸してつぶした大豆(右) 「みなさんが勉強した『すがたをかえる大豆』、大豆は何に変化しましたか?」という問いかけに、「おみそ」「豆腐」「醤油」「もやし」「納豆」「きな粉」と、どんどん答える児童。 「全部、ピンポーン(正解)」と中西会長。 「家康のお味噌汁」では、家康の長寿の秘訣である、根菜などがたっぷり入った「五菜三根」のお味噌汁を学びます。 クイズ「目指せ!みそ博士!!」では、大豆の自給率を「みそが100個あるとすると、94個のみその大豆は外国産、6個のみそだけが日本産の大豆でできています」と、わかりやすく説明してくださいました。 「今日みんながつくる北神みそは、神戸市北区のお米と、神戸市北区の大豆でできている、国産100%のみそですよ~」 JAでは、日本国で生産したものは日本国で食べましょうという「国消国産」を推奨されているそうです。「粘りのある、キレない子を育てたいという想いで、ファーストフードではなく、スローフードで育てようとしています」 「めっちゃ大豆のいいにおいする!」 「粘土みたいで気持ちいい」 いよいよみそづくり。タライの中の大豆ミンチと塩糀がなじむように、しっかりと混ぜます。 混ざったら、大豆の煮汁である「アメ」を全体にかけてさらに混ぜ、両手に収まるぐらいのみそボールをつくります。 「アメが入ると手にくっついて、さっきより混ぜるのが大変・・・」 大変ですが、みんなで力を合わせて一生懸命混ぜます。 「おいしくなーれ、おいしくなーれ!」 みそボールができたら、一つをタッパーに入れ、グーにした手で押しつぶす。これを4~5個分くりかえします。 カビの原因になる空気が入っていないか確認し、みその表面をできるだけ平らにします。 表面を平らにする作業、児童にとっては案外難しいようです。 「手はグー!」 空気が入らないよう押しつぶす ラップをみそに密着させる 殺菌作用のあるホワイトリカーをふってフタをする 周りをきれいに拭いたら、 完成! 大事に持って帰ります フタにつくった日、食べられる日、名前を書きます。 「今日つくったおみそは、今は塩辛いだけで、おいしくありません。10ヶ月間冷暗所で保存し、発酵することで味がなじんでまろやかになります。来年9月15日が食べごろです」 「あと10ヶ月後かぁ・・・」と、待ち遠しそうに児童がつぶやきました。 【みそ汁の試食】 女性会のみなさんが作ってくださったみそ汁を、お家の人が持たせてくれたお弁当と一緒に食べます。みんな、和気あいあいとおしゃべりしながら、お弁当とみそ汁を楽しんでいました。 「大根に味がしみてておいしい」「おあげさんがおいしい」「お弁当と一緒に食べると、もっとおいしい~」と、次々とおいしい感想が飛び出します。 お鍋いっぱいのおいしそうなみそ汁 持参したお弁当と一緒に「いただきます」 お世話になったみなさんに手をふって、工房を後にしました <出前授業> 実施日:令和6年11月14日(灘小学校)、11月21日(花山小学校) 場所:各学校 教室での授業の様子 出前授業用の小ぶりな大豆のミンチ機で大豆をミンチに みそづくりの様子 ☆児童の感想 ・最初は、みそをうまくつくれるか不安だったけど、ていねいにわかりやすく教えてくれて、思ったよりも簡単にできた ・みそづくりは力をこめて大変だったという話を家族にしたら、「そんなに気持ちをこめてつくったみそを入れたおみそ汁は、絶対おいしいね」と言われたので、食べるのが楽しみだ ・みそづくりは大変だったので、これからみそ汁を食べるときは、「ありがとう」と思いながら食べたい ・長野県で一度みそづくりを体験したことがあった。今回の方が少し難しかったけれど、楽しかったのでまたやりたい ・大豆が日本で育てられている数が、たった6%で、94%は外国で育てられていることにびっくりした。改めて体験を思い出すと、たくさんのことを学んだし、楽しかった ・みそが1000年ぐらい前からあるということ、徳川家康が平均年齢37~38歳の時代に75歳まで長生きしたことなど、びっくりしたし、おもしろく学べた。みそづくりを優しくわかりやすく教えてもらえて、また家でもつくってみたくなった 他にも、大豆の成り立ちを知ることができた、みそはつくってすぐには食べられない、空気にふれるとカビが生える、など、授業を通して初めて知ったという意見もあり、多くのことを学んだようです。 女性会のみなさんは、終始児童に目を配り、エプロンや帽子をつけるのを手伝ったり、作業が遅れている班の助人に入ったり、児童が体験をしている間に道具を片づけたり、常にお世話してくださいました。そのおかげで、「優しく教えてくれたので、なんとかできた」という児童が多くいました。 また、みそづくり体験を楽しんだだけではなく、ビデオ鑑賞や「みそのわかる本」、女性会のみなさんのお話の中から、たくさんのことを学んだようです。「みそづくり体験」をできる機会はそうありません。貴重な「みそづくり体験」に加え、女性会のみなさんとふれあい、お話を聞くことは、児童にとって良い経験になったのではないでしょうか。 Tweet Share