2024.05.8こうべの食育 「神戸っ子みそづくりプログラム」~北神みそづくりを体験~ 「神戸っ子みそづくりプログラム」 ~北神みそづくりを体験~ 「神戸っ子みそづくりプログラム」は、子供たちが、神戸市北区産の大豆と神戸市北区産の米でできた糀(こうじ)を原料に、日本の伝統食である「みそづくり」に挑戦し、地産地消の大切さを学ぶプログラムです。 3年生の国語の授業で「すがたをかえる大豆」を学んだ流れで、実際に「みそづくり」を体験し、教科書だけでは得ることのできない、様々なことを学びます。 講師は、神戸ブランドの「北神みそ」づくりに長年携わる「兵庫六甲JA神戸北女性会」の皆さん。 児童が工房に赴く「北神みそ工房」での体験と、講師が学校に出向く「出前授業」とがあり、どちらも座学で「みそ」や「糀」について学び、実際に「みそづくり」を体験します。令和5年度は、計6校の児童(3年生)が「みそづくり」に挑戦しました。 協力:兵庫六甲JA神戸北女性会(一般社団法人 北神みそ)、JA兵庫六甲 座学では、「みそ」について、実際に工房で行われている「みそづくり」のビデオや、資料を見ながら勉強します。 「みそづくり体験」では、ミンチ状になった大豆と塩糀を混ぜて味噌を作り、容器に詰めるまでを体験します。 そして最後には、兵庫六甲JA神戸北女性会の皆さんが、北神みそを使って心を込めて作ってくださった、お味噌汁の試食です。 ミンチ状の大豆(上)と塩糀(下) <みそ工房での体験> 実施日:令和5年11月16日(灘の浜小学校)、11月22日(甲緑小学校)、11月24日(渦が森小学校) 場 所:JA兵庫六甲本店 ふれあい会館「北神みそ工房」(神戸市北区有野中町) 【座学】 兵庫六甲JA神戸北女性会会長の中西さん 「大豆は、みそ、もやし、きなこ、豆腐、しょうゆ、煮豆、枝豆など様々に変化します。」 北神みそ工房で行われている「みそづくり」の様子や、以前に実施された「神戸っ子みそづくりプログラム」の様子など、中西会長の説明を聞きながら、ビデオ鑑賞しました。 「みそのわかる本」では、おみそは、①伝統食品、②発酵食品、③健康食品であることや、徳川家康が日常的に味噌汁を食し、長生きした事、「目指せ!みそ博士!!」と題したクイズなどで、みその知識を深めました。 また、中西会長が国消国産について「国消国産とは、『日本人は日本で採れた野菜やお米などをすすんでいただくこと』であり、みなさんも意識して国産のものを食べてくださいね」と分かりやすく説明して下さいました。 「みそのわかる本」 【みそづくり】 大豆はもともと硬いので、圧力釜で1回につき6kg蒸しあげられます。蒸しがった大豆は、とても柔らかいそうです。 大豆を蒸す圧力釜 蒸された大豆 「みんなに試食してもらえないのが残念」 蒸しあがった大豆をミンチ機にかけ、細かくします。 「本当にあっという間に終わるから、見逃さないようにしっかり見ていてね。」 大豆がミンチになって出てくる様子を見た子供たちからは、驚きの声が聞こえました。 「うわ、さっそく何か出てきた!」 「わぁ~!ミンチだ~!スゲー!」 「なんかいい匂いがする」「大豆のいい匂い」 糀の原料となるお米は洗った後、重いセイロの中に5kgずつ入れ、2つの蒸し器にそれぞれ5段ずつ、計10個のセイロで蒸し上げます。 「えぇー!重そう~!」と子供たち。 さあ、いよいよみそづくり。 キャップをかぶって洋服の袖をグーッと上までまくり、手袋をして、青い桶の中に入った「大豆のミンチ」と、糀と塩をブレンドした「塩糀」をしっかりと混ぜます。 各班、女性会の方に手伝ってもらいながら、一生懸命混ぜます。 「大豆のミンチ」と「塩糀」の感触は、「気持ちいい」。 ある程度混ざったら、計量カップに入った大豆の煮汁(アメ)を回しかけ、さらにしっかり混ぜます。 「これ全部入れるん?」 はい、全部入れてね。 アメを入れた後の感触は? 「さっきよりネットリした」「やわらかくなった」 アメ(大豆の煮汁) しっかり混ざったら、直径4~5cmぐらいの「みそ」のお団子(みそ玉)を、たくさんつくります。 「タコ焼きみたい」 女性会の方曰く、片手を平たく下に置いて、上からくるくる丸めると早くお団子ができるそうで、さすが熟練の技!きれいなお団子がどんどんできていきました。 子供たちもそれをまねて、お団子づくりが早くなりました。 遅れているチームには、女性会の方々が助けてくださいます。 「1人ではできない事も、皆で力を合わせればできるのよ~、がんばれがんばれ」 お団子ができたら、片手をグーにします。 タッパーにお団子を1つずつ入れ、グーにした手でお団子を空気が入らないように押しつぶします。 全部のお団子を入れ終わったら、班全員のみその量が同じぐらいか、タッパーを並べて比べ、均等になるように分け合います。 表面を平らにし、空気が入らないようにラップをかけ、仕上げに殺菌作用のあるホワイトリカーをふります。 「これはお酒ですが、みその表面に振りかけることで、余計な雑菌が増えるのを防ぎます。みそが熟成していくと、アルコールも飛ぶので酔っ払いにはなりません(笑)。」と女性会の方。 タッパーのまわりをきれいに拭いて完了! 作った「みそ」は、台所の流し台の下などの冷暗所で発酵させ、約10か月後が食べごろです。 それまで、してはいけないことが2つあります。 1. 途中でタッパーのふたを開けない 2. 冷蔵庫の中には絶対に入れない 冷蔵庫に入れてしまうと糀が発酵せず、「みそ」になりません。逆に、食べごろになった「みそ」は、冷蔵庫で保管するのがよいそうです。「みそ」は、できあがった後も発酵を続けるので、色がどんどん黒くなりますが、冷蔵庫に入れることで、それを防げます。 ふたが外れないよう、しっかりとタッパーをかかえて、再びホールへ 【みそ汁の試食】 作ってくださった女性会の皆さんに感謝して、皆で手を合わせて「いただきま~す!」 みんな、おいしいおいしいと、味噌汁をほおばりました。 「青いのは大根の葉っぱよ。」 「ホンマ?大根の葉っぱおいしい!」 「お味噌汁苦手だったけど、このお味噌汁はおいしい!」 「うま~い!」「うますぎる!」 最後に会長とハイタッチをして、北神みそ工房をあとにしました。 <出前授業> 実施日:令和5年11月21日(長田南小学校)、11月30日(箕谷小学校)、12月7日(月が丘小学校) 場 所:各学校 【座学】 工房と同じく、テキストとビデオで「みそ」について学びました。 【家庭科室で「みそづくり」】 女性会の方々が、大豆と米、圧力釜を、子供たちが見られるように持って来てくださいました。ミンチ機は、工房で使用しているものよりも小型の物を使用します。 圧力釜 小型のミンチ機 最初にご挨拶「お願いしま~す!」 「みその原料になる大豆と米だよ~」 圧力釜オープン!興味津々な子供たち 大豆をミンチに。「モンブランみたい」 大豆のミンチと塩糀を混ぜます。 「いい匂い」 「ムニュムニュしてる」 アメを入れてさらに混ぜます。 「混ぜやすくなった~」 みそ団子をつくり、1つずつタッパーに入れ、グーの手で空気が入らないようにつぶす。これを繰り返します。 ラップをかけ、ホワイトリカーをふり、フタをしてタッパーをきれいに拭きます。 最後に、みそができあがる日付と名前を書いて完成です。 「かばんに入れる時は寝かしてもいいの?」 なるべく寝かさない方がいいかな。学校にいる間は、ロッカーの上に置いておきましょう。 「みそづくり体験」の後は、お待ちかねの試食です。 美味しそうなお味噌汁! 女性会の皆さんが、みんなに配ってくださいました 「めっちゃおいしい!」 「おいしい~!おかわりほしい」 ありがとうございました! ほとんどの児童にとって、今回が初めての「みそづくり」体験でした。「北神みそ」の原材料が、神戸市北区産の大豆、神戸市北区産のお米からできた糀、塩であることを知るとともに、手間と時間をかけてようやく「みそ」になることを体験できたと思います。味噌汁の試食では、みんなおいしい、おいしいと、おかわり希望の児童が続出。中には、「味噌汁は苦手だけど、この味噌汁はおいしい」という児童もおり、大好評でした。自分の手で仕込んだ「北神みそ」の味は、きっと格別なことでしょう。食べごろが楽しみですね。 担任の先生が用意された、感想文用フォーマットのイラストに、子供たちが色を塗ってくれました ◇子供たちの感想 ・初めて「みそ」を作って、楽しく、うれしかった。糀菌のにおいがすごくいい匂いだった ・北神みそで作った味噌汁は、すごくおいしかった ・「みそ」が大豆と糀菌でできていることを初めて知った ・味噌汁で長生きできると知りました。毎日味噌汁食べたいなぁ~ ・作った「みそ」は、キッチンに置いています。少し色が変わってきた気がします。食べるのが楽しみです ・まぜた時、粘土みたいでコネコネするのが楽しかった ・当日飲んだ味噌汁がおいしかったので、お母さんに「味噌汁作って」とお願いしたら、作ってくれた。あったまって、最高においしかった 担任の先生が用意された、感想文用フォーマットのイラストに、子供たちが色を塗ってくれました Tweet Share