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神戸っ子おにぎりプログラム(令和3年度まとめ)

神戸っ子おにぎりプログラム(令和3年度まとめ)

◆「神戸っ子おにぎりプログラム」とは
近年、子どもたちの「食」を取り巻く状況は、偏食、孤食、不規則な食事(朝食抜き等)や肥満・痩身傾向など、健康につながる問題が深刻化しています。
このような中で、児童が広く「食」に関する多様な知識の習得と経験ができるよう、学校での食育を支援をする事業として「神戸っ子おにぎりプログラム」を実施しています。
希望する学校に対し、神戸市学校給食会が神戸市産の米と兵庫県産の海苔(令和3年度は全量神戸産)を提供し、学校の実施目的に応じて、NPOや大学、農業生産者グループ、伝統食研究者ら外部講師の紹介等を行います。
子どもたちが健全な食生活を通じて心身ともに健全に育っていけるよう、給食会は学校における食育の支援に積極的に取り組んでいきたいと考えています。

◆プログラムの内容
基本は、子どもたちが自分たちでご飯を炊き、おにぎりを作る実習を行います。
近年、共働きやひとり親などが増え、家庭環境が変わる中で、児童が自分でご飯を炊いて食べることができるよう指導します。
また、実習とともに食育学習を行うことによって、食を通じた様々なことへの関心を持ってもらいます。

実施状況
令和3年度は、市内小学校16校で実施、1,200名を超える子どもたちが参加しています。
内容は、基本のおにぎり作りに加え、担任や栄養教諭の指導による教科単元に沿った授業や、学校給食会が講師を紹介し、食についての講演や防災教育を行いました。

 

令和3年度 実施校一覧

 

実施例1
日 時:令和3年11月19日
実施校:松尾小学校 2年 18名
講 師:NPO法人 食ネット 清水先生   (前 神戸女子大学家政学部 准教授)
内 容:生活科「食事の大切さ」

講師は、授業を行う学年に応じた内容の講演を行います。
栄養素については3年生の授業で習いますが、松尾小ではそれを見越して、まず2年生で出前授業をしていただきました。
対象が2年生ですので、栄養素をわかりやすく赤(からだをつくる“たんぱく質”)、黄(からだを動かす“糖質・脂質”)、緑(元気でいられる“ミネラル・ビタミン”)の色に分けて、それぞれの色の食材をバランスよく食べることによって健康になることを教えていただき、実際にその日の給食の食材は何色に入るのか、みんなで考えました。そして、松尾小の3年生で行われる「歯と健康」の研究授業につながる「噛む」ことについて、よく噛んで食べると脳や体にたくさんいいことがあることを教えていただきました。
美味しいごはんの炊き方や、きれいにおにぎりをにぎる方法も教えていただき、おにぎりを試食するときは「30回噛んでみましょう!」と声をかけられ、子どもたちはしっかり噛んで食べていました。

「いろいろな栄養についてお話しします。」

「今日の給食の食材はどの色かな?」

「ご飯が炊けたら、底からそっと混ぜましょう。」

「いただきます!」

◇子どもたちの感想(原文のまま)
「おにぎりをにぎるのがじょうずじゃなかったけど先生に教えてもらって、できるようになりました。おこげもおいしかったです。」
「おなべではじめてごはんをたいたので、あわがいっぱいでてきたとき、『こんなふうになるんだな』と思って、おもしろかったです。」
「いままでたべたなかでいちばんおいしかったです。ごはんものりもめっちゃおいしくてすごいたのしかったです。」

実施例2
日 時:令和3年11月26日
実施校:神出小学校 5年 31名
講 師:NPO法人 食ネット 清水先生  (前 神戸女子大学家政学部 准教授)
内 容:家庭科「食事の栄養バランス」

フードヘクサガン

お米を中心としたメニューから食事の栄養バランスについて学びました。
5年生を対象としていますので、栄養素について少し詳しく学ぶ内容でした。
たんぱく質(赤)、糖質・脂質(黄)、ミネラル・ビタミン(緑)について、フードヘクサガンを用いてわかりやすく説明していただきました。
フードヘクサガンは面を開いていくと、どんな食べ物が何の栄養素を含んでいるか、ひとめでわかるようになっています。
また、和風・洋風メニューの比較や、一汁三菜、主食・主菜・副菜、食料自給率などについて教えていただきました。

「パンやご飯は黄色の糖質か~!」

「この食材はどの栄養素でしょう?」

「火加減が難しいね。」

「三角にならない・・・ うまくにぎれる?」

実施例3
日 時:令和3年10月26日・11月1日
実施校:六甲小学校 3年 70名
講 師:担任指導
内 容:総合学習 「世界の食や身近な食について考えよう」

SDGsについて、長期にわたってさまざまな単元で総合的に学習する中で、身近な問題としてフードロスについて考えました。
事前学習で「フードロス鬼ごっこ」を通して食べ物が捨てられていることを知りました。反対に、飢餓や貧困により、食糧不足で困っている子どもたちがいることも知りました。
そして、地域のお店を訪ねて食品ロスについて困っていることや、食品ロスを減らす工夫などを聞きました。
また、米については、生産や栄養、おにぎりの良さなどを学習しました。
おにぎり作りの実習では、直接手で触れないよう工夫すれば、感染防止対策ができることを知りました。

SDGsって何だろう

フードロス鬼ごっこ : 児童は、ニンジン、豆腐、鶏肉などの「食材」になり、生産→加工→流通→消費のそれぞれの間で「フードロス鬼」から逃げます。無事に食べられる(消費に到達する)とゴールです。

フードロス鬼ごっこ

フィジカル・ディスタンスを守って活動中

「上手ににぎれたよ!」

◇子どもたちの感想(原文のまま)
「家でも何か作ってみたい。」
「今回はコロナのことで先生が準備してくれたけど、普通の時にもっと自分たちで準備していきたい。」
「初めて学校で調理実習をしたから楽しかった。」

実施例4
日 時:令和4年1月14日
実施校:西脇小学校 5年 55名
講 師:K-TEC(神戸市防災技術者の会)  橋本さん
内 容:防災教育「震災学習」

講師の橋本さんに今まであった震災の経験や教訓、これから起こりうる地震と、近年多い自然災害に対する防災について講演していただきました。
70~80%の確率で起こると言われている南海トラフ地震について、過去にあった阪神淡路大震災の経験や教訓を元に、事前の心構えや準備しておくことなどを教えていただきました。
その後、タブレットを使用し、神戸市のホームページ「くらしの防災ガイド」を自分たちで検索しました。ハザードマップで学校や自分の家を見つけ、危険な場所や避難場所を確認しました。
また、防災備蓄品の準備、家族との連絡の方法など、避難した時に自分たちができることを教えていただきました。
自分の身は自分で守ること、他の人と助け合って様々な困難を乗り越えていくことを学びました。

「“くらしの防災ガイド”をぜひ見てください。」

「ハザードマップを知ってる人!」

「私の家はどこかな?」

「お家の人と連絡方法について話し合いましたか?」

◇子どもたちの感想(原文のまま)
「今までは、ハザードマップという言葉を聞いたことがあっただけで、くわしく知らなかったけど、パソコンなど身近な物で調べることができ、それぞれの川の様子や、それぞれの地いきの災害予想などくわしくのっていることを、はじめて知りました。」
「どの都道府県にいっても必ず大地しんにあうということを教えてもらってこわくなりました。けど、大地しんにあってそのままなにもしなかったら学習した意味がないと思います。だから、大地しんが起きたら学習したことを思い出してしっかり行動したいと思います。」
「おもいやりの事では、今すぐに実行できない事は、少しちょうせんしてみて、できる事は、自分からすすんで行動できたらいいなぁと思いました。」

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