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「神戸っ子食育応援団」令和5年度まとめ

給食会の食育支援プログラム「神戸っ子食育応援団」令和5年度まとめ

国によって「第4次食育推進基本計画」が策定されたことに伴い、神戸市でも令和8年8月までを計画期間とする「神戸市食育推進計画(第4次)」を策定し、食育の推進を行っています。

神戸市学校給食会では、食材の納入業者を通じて様々な企業と連携し、学校への出前授業やオンライン授業などの情報を提供することで、学校の食育を支援しています。

神戸市学校給食会では、学校給食関連企業から提供のあった食育プログラム等を「神戸っ子食育応援団」として冊子にまとめ、市内の小中学校・義務教育学校・特別支援学校に情報提供しています。
食育プログラム冊子 「神戸っ子食育応援団」の最新版はこちら

今年度行われた食育プログラムの実施例をご紹介します。

<実施例:1>

「わかめパワーのひみつについて探ろう!」

理研ビタミン株式会社 オンライン授業

令和5年9月8日 なぎさ小学校 3年生
令和6年1月26日 本山第三小学校 5年生

東京の「わかめ博士」とオンラインでつなぎ、人間の体に良い働きをしてくれる「わかめパワー」の秘密をさぐります。
実際にわかめにふれ、感触とにおいを確認しながらワークシートの答えを導き出します。

わかめの全体図(横向き)
中心が「茎」、外側のピラピラした部分が「葉」

この丸い部分は「めかぶ」

実際にわかめにふれて、感触と匂いを確かめる

日本での「わかめ」の収獲量は岩手、宮城が70%をしめる。次いで徳島県の「なるとわかめ」

わかめの大きさは一般的に、1.5m~3m

お湯につけると、茶色いわかめが鮮やかな緑色に変化

ホースを人間の腸に例え、白い部分が小腸(6m)、赤い部分が大腸(1.5m)、全部で7.5m!
こんな長い腸がつまったら大変ですが、わかめのヌルヌルが、腸をお掃除してくれます。

【わかめの働き】
お腹の調子、便通を整える

気付いたことは、ワークシートに記入
「枠内がいっぱいで書けない・・・」
「枠をはみ出して書いてもいいよ~ はみ出せば、はみ出すほど?」「いい~!」

実際に「わかめ」にふれて、感じたことを「わかめ博士」に発表しました。

【さわった感じ】
・全体的にヌルヌルしていて、「めかぶ」は、やわらかかった
・「茎」は、キュッキュッとした感じがした

【におい】
・海のにおいがした
・梅干しみたいなにおいがした

☆「わかめ博士」からメッセージ
発表の時間では、部位によってさわった感じがちがうことを気づいてくれるなど、よく観察していました。お家や給食で「わかめ」を食べるときに、栄養満点で身体に良いことを思い出しながら食べてほしいです。「わかめ」をいっぱい食べてね!

☆子供たちの感想
・初めてわかめをさわって、ヌルヌルのところと、そうでないところがあるのがわかった
・わかめは、お腹の調子と便通を整えてくれて、とても体に良いというのを知ることができてよかった

<実施例:2>

「ヤクルト工場のオンライン見学」 ~ヤクルトができるまで~

株式会社ヤクルト オンライン授業

令和5年9月12日 東灘小学校 3年生

ヤクルト先生とオンラインでつなぎ、ヤクルトを製造している「三木工場」 と、「岡山和気(わけ)ヤクルト工場」をビデオで見学しながら、ヤクルトができるまでを案内してもらいました。容器の形や大きさに意味があることや、ヤクルトの原材料、人間の体にどんな良い働きをするのかなどを、ワークシートに沿って学びます。

ヤクルトは何からできているかな?
1.小麦粉
2.粉ミルク
3.粉砂糖

「粉ミルクと思う人?」
「ハーイ!」

質問タイム

Q1:「ヤクルトを飲むと、喉に何かつまるのはなぜですか?」
A1: 「のどの奥の方に何かが溜まることあるよね? それは、『ムチン』という物質で、子供の時によくある症状です。大人になるとなくなるよ~。悪い物ではありません。」
Q2: 「ヤクルトは、お腹に良い他に、どんないいところがありますか?」
A2: 「いっぱいあるけど、おいしいし、お腹に良い=体にいいんです。お腹が元気になると、体が元気になります。あとは、病気にもなりにくく、いいうんちも出て、お肌もピカピカになります。

☆ヤクルト先生からメッセージ
ヤクルトを飲むと、いいことがたくさんあります。毎日続けることが大切なんですよ~
これからも工場では、たくさんのヤクルトをつくっていくので、みんなもヤクルトをいっぱい飲んで、元気になってくださいね~

☆子供たちの感想
・思ったよりも難しかったけど、楽しかった
・他の飲料と違うところを知りたくなった

「ヤクルト先生、ありがとうございました~」
「バイバ~イ」

<実施例:3>

「キユーピー オンライン工場見学」

キユーピー株式会社 オンライン授業

令和5年10月5日 住吉小学校 3年生

社会科で習う「工場で働く人々の仕事」と関連して、キユーピー神戸工場をオンラインで見学しました。工場で働く方とオンラインでつなぎ、あらかじめ用意されたワークシートにそって、クイズ形式でキユーピーマヨネーズのおいしさの秘密を学びます。

神戸工場は2016年、深江浜に誕生

ワークシートの選択肢に〇をつけます

「マヨネーズの原料は主に3つ。わかる人?」
「はーい!」

工場での作業着は、ポケットがなく、手首、足首、胴の布が2重になっていて、髪の毛やホコリがすぐに工場内に落ちないよう工夫されています

割卵機
マヨネーズに使用するのは黄身だけですが、白身や殻も有効活用されています

マヨネーズの充填を1/3の速度で見学。
子供たちが「やばっ!」と言うほど早い!
1分間に最大400本のマヨネーズがつめられます

酸化を防ぐため、多層容器を使用し、キャップには、消費者の要望に応えて賞味期限が刻まれる

キユーピーマヨネーズは、キャップの色(赤、白、黄色、緑など)で中身がわかるようになっています。
工場は海外にもあり、国によって容器の形や色、好みの味が違っておもしろいです。
中でも特徴的なのが、中国の青いパッケージのスイートマヨネーズ。中国では、生の野菜を食べる文化がないので、フルーツに甘いマヨネーズをかけて食べるそうです。
ほかに、香辛料など少し刺激的な味を好むタイでは、緑のパッケージのワサビマヨネーズが人気です。

質問タイム

Q1: 全店舗で、何人ぐらい働いているのですか?
A1: 本社とか工場とか、全部合わせて(キユーピーという会社では)2400人ぐらい働いています。
「えーっ!多い!」
Q2:お姉さんは、なんで、この仕事をしようと思ったのですか?
A2:働こうと思った時に、いろいろな仕事を調べる内、私はマヨネーズが好きだと気づいたのが1つ。もう1つは、キユーピーの人と会った時、みんなとてもやさしかった。だから、この人たちと一緒に働きたいなと思い、この仕事に就きました。

「ありがとうございました!」と、ジャンプしながら、いつまでも手をふる子供たち

☆子供たちの感想
・マヨネーズができるには、さまざまな仕事で、たくさんの人が関わっていることがわかった
・夜中も働いている人がいると聞いてびっくりした

※令和5 年6 月22 日、本山第三小学校の児童が、実際に「キユーピー神戸工場」を見学し、その時の様子を記事にまとめています。
「神戸っ子食育応援団」~工場見学編~ 4年ぶりの復活! キユーピー神戸工場見学

<実施例:4>

備えよう!災害時のパッククッキング

エム・シーシー食品株式会社 出前授業

令和5年11月30日 明親小学校 6年生

令和4年度に中学生向けに実施した、生徒の防災意識の向上を図り、災害時の栄養・食品衛生や食の大切さを学ぶ食育プログラムを、令和5年度は新たに小学生に向けて実施しました。

「新たな神戸の防災教育推進事業実践研究校」として、学習を進めている明親小学校6年生の児童が、学校給食の食品を取り扱っている地元企業「エム・シーシー食品株式会社」の指導のもと、災害時に必要な知識や、パッククッキングの調理のしかたなどを学習・体験します。

【前半】エム・シーシー食品の松元さんより、「阪神・淡路大震災」発生時のことや、普段食べている食品を常に一定量備える「ローリングストック」、災害時に役立つ「パッククッキング」などについて学びました。

エム・シーシー食品の松元さんよりお話

阪神・淡路大震災を体験していない子供たちへ説明
火災も起こり、大変だった

パッククッキングのレシピ例

【後半】エム・シーシー食品の管理栄養士の曽我さん指導のもと、「パッククッキング」の調理実習を行いました。耐熱性のポリ袋でお米を洗って炊き、レトルトカレーを温めます。また、避難所などで皿が使えない状況を想定し、紙を折って作った入れ物にサランラップを敷いて容器にします。
最後は、災害時だからこそ温かいものを食べることの大切さを学ぶため、温めたカレーと常温のカレーとの食べ比べも行いました。

管理栄養士の曽我さん

耐熱性のポリ袋で米を洗い、米を流さないよう水だけ捨てる(災害時の食料は特に無駄にしないように。場合により洗米した水も再利用)

口を結んだお米の袋とレトルトカレーを沸騰したお湯の中へ

用意されたレトルトカレー
阪神・淡路大震災を経験した兵庫県警と、MCCがコラボレーション。大人から子供まで、温めてもそのままでもおいしく食べられるそう

ご飯を炊いている間に、用紙を折って、紙の容器を作る

カレーライスのできあがり
温かいカレーと常温のカレーを食べ比べ

ゴミは、チラシを折って作ったゴミ箱へ

質問タイム

Q1:震災時には、救援物資を届けられたそうですが、神戸市以外の近隣の被災地にも届けましたか?
A1:MCC食品から直接神戸市以外の近隣の被災地に届けるのはむずかしかったですが、自衛隊の人たちに食料を渡して、その人たちが神戸市以外の被災地へ食料を届けたという例はあります。

Q2:救援物資を届けるのに、どれぐらいの時間がかかりましたか?
A2:避難生活を続ける人から、ご飯をおいしく食べたいという要望を聞いて、東灘区の避難所へ、MCCの社員が炊き込みご飯の具を運んだことがあります。当時は道がデコボコしていたり、通れないところもあったりして、30分で行けるところに2時間かかったこともよくありました。それでもやはり、食べ物を製造する企業として、みなさんに食料を届けようという気持ちで届けていました。MCC食品が阪神・淡路大震災の時に届けた食料は約3万食分です。

☆子供たちの感想
・炊飯時に水の量が多すぎて、ご飯がちょっと柔らかかった
・冷たいカレーも美味しいけど、温かい方がやっぱり美味しい

<実施例:5>

「神戸っ子おさかな教室」

神戸市中央卸売市場 山嵜さん 出前授業

令和6年1月22日 星稜台中学校 1年生
令和6年2月5日 西落合中学校 2年
令和6年2月19日 横尾中学校 1年生
令和6年3月18日 竜が台中学校 2年生

昨年度の試行実施に続き、今年度も中学生対象の食育授業「おさかな教室」を実施しました。
星稜台中学校の生徒が、お魚アドバイザーの山嵜さん、神戸市中央卸売市場の料理教室の皆さんの協力を得て、あじの3枚おろしとソテーに挑戦します。

作業しやすいように、包丁とまな板は、きれいに洗ってセット

新鮮なあじ

手際よく準備を進める料理教室の皆さん

星陵台中の家庭科の先生の提案で、どんな作業をするのか、生徒が理解しやすいように、山嵜さんの手元がモニターで映し出されました

山嵜さんや料理教室の皆さんからアドバイスをもらいながら、あじを3枚におろします

新鮮なアジは皮目から、平らになるようフライ返しで押さえながら焼く。
全体の3割が白く焼けたらひっくり返して火を止め、余熱で火を通すとふっくら仕上がる

アジのソテーのできあがり
少々焦げがあってもおいしそうだね!

「美味しい?」と聞くと、
みんな笑顔で、「おいしい~!」

☆生徒の感想
・もともと魚があまり好きではなく、さわることもなかったので、怖さや不安があったけれど、師匠(山嵜さん)のおかげで魚にふれ合うことができた
・初めて魚をさばいたので、手間取ったり、順番を忘れてしまったりした。先生の話をしっかり聞く事の大切さを改めて感じた
・包丁の向きや入れ方など、たくさんのポイントがあった。他の調理にも応用できると思うので、この経験をいかしていきたい
・父が釣り好きで魚を釣ってくるので、機会があったらまたさばきたい
・生き物を切る感触と血に抵抗があったが少しずつ慣れ、焼いて食べると、とてもおいしかった。いつも頂いている命(食材)に感謝したい
・魚をさばく時に適した包丁の使い方を見つけることができ、焼き方を工夫すれば、ふっくらおいしくできることを知った。家族にも伝えたい

<実施例:6>

「神戸と真珠とビーフンと」

ケンミン食品株式会社 出前授業

押部谷小学校 6年生
令和5年11月9日:事前学習「幕末開港史」(座学)
令和6年2月6日:「神戸と真珠とビーフンと」(座学)
令和5年2月13日:焼ビーフンの調理実習

今年度初めて、教科横断的・総合的な学習として、地元企業と連携した食教育を実施しました。神戸に本社を構えるケンミン食品と連携し、日本の主食である「米」を原料とした「麺(ビーフン)」を通じて、歴史的背景や国際的な食文化について学びます。最終日には、焼ビーフンの調理実習に挑戦し、食に関する興味や関心を高めました。
今回は、最終日の調理実習の様子を紹介します。

ケンミン食品で料理の先生をされているお2人と一緒に「ビー先トリオ」で登場
(池田さん:左、南さん:中央、高垣さん:右)

2月6日の授業では、ケンミン食品の高垣さんから、ケンミン食品の創業者が、神戸で真珠産業を営む親戚を頼って戦後に台湾から日本に来たという、ケンミン食品と神戸との深い関わりや、ビーフンの歴史などを学びました。
調理実習当日には既に高垣さんと面識がある子供たちは、高垣さんのことを親しみを込めて「ビー先」と呼びます(ビーフン先生、略して「ビー先」)。
まず、高垣さんから、野菜の切り方や調理方法を教わりました。

いよいよ児童が調理

まずは、野菜を切る

肉、ビーフン、野菜、水を入れ、フタをして、パチパチ音がしてから3分でできあがり

直前まで秘密だったスペシャルな食材の正体は、大きな「エビ」

2人前を2回に分けて調理。1回目はエビなし、2回目はエビ入り。それぞれ人数分に分けて盛り付け

「どのお皿が良いか、じゃんけんで決めよう」
「よーし、負けへんで~!」

「負けた~!残念・・・」

「いただきま~す!」

盛り付けも大切

「おいしい~」

後片付けもしっかりと

☆高垣さんからメッセージ
何か1つ簡単に調理できる料理を知っていたら、それを中心に栄養バランスを考えた生活ができる。焼ビーフンと野菜を一緒に炒めることで、野菜が甘くなる効果もあるようなので、にがてな野菜も食べやすくなりますよ。「ビー先」は忘れても、焼ビーフンは忘れないでね!

☆子供たちの感想
・あまりピーマンが好きじゃなかったけど、みんなで作った焼ビーフンの野菜は、甘くておいしかった
・自分で調理した料理はおいしかった。また作ってみたい
・初めての焼ビーフン調理は難しいかと思ったけど、意外に簡単にできた。また家族と一緒に作りたい
・ごま油を入れたらもっとおいしくなった。すごく簡単にできたので、お母さんがよく焼ビーフンを作ってくれる理由がわかった
・ビーフンを初めて食べたけど、めっちゃおいしかった
・野菜がとても甘く感じて、フルーツのようだった

感想を発表。積極的に手があがる

※令和5年8月8日、中学生に向けた初めての「神戸っ子食育応援団」ビーフンを通した食育プログラムを実施し、その時の様子を記事にまとめています。
「神戸っ子食育応援団」ビーフンを通した食育プログラムの初開催

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