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  • こうべの食育

「神戸っ子農業体験 ル*ル*ル プログラム」キャベツの収穫

神戸っ子農業体験 ル*ル*ル プログラム
キャベツの収獲

実施日:令和6年11月26日(火曜日)

参加校:真陽小学校 3年生 25人

実施場所:神戸市西区岩岡町(圃場)

協力:JA兵庫六甲 神戸西営農総合センター、農業生産者(JA兵庫六甲岩岡キャベツ部会)

農業体験等を通じて、「育てる」「収穫する」「(学校給食で)食べる」の3つの「る」を児童が体験し、食について学ぶ「神戸っ子農業体験 ル*ル*ル プログラム」。今回は、真陽小学校の児童がキャベツの収穫を体験しました。

晩秋の11月、鳥のさえずりが聞こえるのどかな圃場。50m四方ほどの大きな畑には、いっぱいのキャベツが育っています。

一面のキャベツを横目に、先生と児童が話しながらやってきました。
ある児童、キャベツが何かに包まれていると思ったのでしょうか・・・
児童「この中にキャベツが入っているのかなぁ?」
先生「これがキャベツだよ」
児童「え、これがキャベツ⁈」

収穫の前に、生産者の木下さん、JAの山口さんからお話がありました。
「地元・岩岡の子供たちでもなかなか収穫体験はできないので、少しの時間ですが実際にキャベツにふれて、楽しんで収穫してもらえればと思います。
包丁を使うので、ふざけてけがをしないよう、しっかり説明を聞いて、安全に作業しましょう。
収穫用の包丁は刃先の片方が丸くなっているので、そこに力が入るように、縮めた肘を伸ばすイメージで押します。どれぐらいの力加減で作業すれば、地面の土に包丁が入らず、太くて硬いキャベツの芯を切られるのか、探ってみてくださいね」

生産者の木下さん

JAの山口さん

肘を動かし、エアーで包丁を押す児童と先生

収獲用の包丁

まずは先生が収穫を体験。
「がんばって~!指を切らないように」と児童が応援します。
外側から5枚ほどの葉はいらないので、その一番内側の葉を折り、包丁が入りやすく力を入れやすい角度にキャベツを倒し、その根元に包丁をグッと入れて一気に押し切る。「硬い!めっちゃ硬い」と先生。
芯の切り口から水が滴るみずみずしさ。サイズも大きいです!収穫したキャベツを持った先生も思わず「ずっしり!」

「収穫後にいらない葉を折ると、軸が長くなります。僕たちは、できるだけ根元を切るよう工夫しています」

同じ畑のキャベツでも、日当たりなどによって成長がまちまちだそうです。
「生育が進んだキャベツは、しっかり中が巻いて大きく、緑色が少し薄く白っぽくなります。ある程度大きく、白っぽいキャベツを収穫するようにしてください。これなんか重たいかな」と、木下さんが1つ収穫し、児童に手渡しました。

児童「わぁ~、重たい!」「ああ~、おいしそう~」
木下さん「みんなキャベツ好き?」
児童「好き~!」「大好き~!」
木下さん「同じ大きさでも、より白い方が重たい傾向にある。重たくてギュッと詰まってる方が、お得感があるかな。
お家の人とスーパーに行ったときなど、キャベツを両手に1個ずつ持って、どっちが重たいか比べるなどしても勉強になるよ。
今日は、自分で一番気に入ったキャベツを収穫して、持って帰ってくださいね~」

児童は、各自気に入ったものを一生懸命探してその前に立ち、手を挙げて待ちます。そこへ木下さんと先生が順番に回り、一緒に収穫します。

「重たいのを選んだらいいねんな」
「じゃあ、これ!」

苦戦しながらも全員無事収獲。大きいキャベツを手にして嬉しそうにしている児童たち。
こんな大きなキャベツをお土産に持って帰ったら、お家の方はさぞ喜んだことでしょう。

質問タイム

Q1:いつから農家をしているのですか?
A1:10年ぐらい前からです。以前勤めていた職場を退職し、実家の農家の後を継いで、農家を始めました。

Q2:どうして農家をしているのですか?
A2:一番大きな理由は、通勤時間がすごくかかるので、この時間をもっと有効に使えないかなと思いました。農家を始めてからは、基本的に日が昇れば起きて仕事を始め、日が暮れれば仕事を終える。ご飯は家族と一緒に食べられるようになりました。農業は起きたらすぐ働けるよ!

Q3:キャベツは、外側の葉はあおいのに、内側はなぜ黄緑っぽくなるのですか?
A3:生きものは、太陽の光で光合成をして生きています。キャベツもそうで、太陽の光が当たる外側の葉は色が少し濃くなり、太陽の光が当たらない内側の葉は、黄緑に(白っぽく)なります。

「光合成」は6年生で習うそうで、まだ少し早かったかな・・・

Q4:キャベツ1個の重さは、何㎏ぐらいですか?
A4:1個だいたい2kg弱です。 さっき先生が採ったぐらいの大きいキャベツは2Lサイズといい、1.8kgぐらいかな。

Q5:キャベツ以外に何を育てているのですか?
A5:キャベツは8月20日頃から植えますが、その前に「ぶどう」を育てています。夏はトマトやキュウリなどの夏野菜、直売用に、ナスやピーマンも少し育てています。あと、サトイモ。

Q6:キャベツを食べる虫は、どんな虫ですか?
A6:モンシロチョウの幼虫もキャベツを食べますが、厄介なのは、「オオタバコガ」やヨトウムシ類、「ハイマダラノメイガ」など、蛾の幼虫です。葉を食べて穴をあけたり、芯を食べたりします。芯を食べられたキャベツは別の芯をつくり、1つの株に小さなキャベツがたくさんできてしまいます。

「オオタバコガ」の幼虫が食べたキャベツ。中の方まで穴があいています。
児童「中の方がおいしいんかなぁ?」
木下さん「虫は、硬い外側の葉よりも、やわらかい中の葉や芯を好んで食べます。1つ穴を見つけると、おそらくそのキャベツは、中まで虫が食べてしまっています。虫が食べた葉の下の葉は、曲がって重なったり、茶色くなったりします。
虫が食べたキャベツでも、虫食い部分をはぎ取れば食べられます。小さくなるけど、これでも重いよ」

虫食い部分をはぎ取った、小さなキャベツを児童に手渡す木下さん

児童みんなに回して「わ、ほんまや!小さいけど重い!」

児童たちから良い質問がたくさん飛び出し、そこから派生して、木下さんが様々なことを教えてくださいました。その一部をご紹介します。

畑について

畑や田んぼの形は様々で、横長や縦長、三角形のものもあります。農家の人は昔から、どれぐらいの間隔でキャベツを植えたら順調に大きくなるのかを考えていました。その間隔が、冬だと、だいたい32~33cmなので、畑の面積によって、キャベツがどれぐらい植えられるのかが計算できます。

畑の面積の単位は、反(たん)やa(アール)などで表し、1反は約10aです。10aの畑には、約5,000個のキャベツを植えます。今回収穫体験をしたキャベツ畑は30aぐらいなので、10aの約3倍、15,000個ぐらいのキャベツが植わっています。畝は34筋ほどあるので、1列には約500個ぐらいですね。

農作物について(キャベツ)

30~40年前は、キャベツの苗を手で一つひとつ植えていましたが、今は少しでも楽にたくさん植付けができるよう、機械で小さな苗を植えます。お米の苗の植え付けも稲刈りも、昔は手で植え、鎌で刈っていましたが、今は田植え機で植え、コンバインで一気に刈り取ります。機械化によって作業効率がとてもよくなり、年間6~7万個のキャベツを生産することができるようになりました。

機械化が進む中、キャベツの収穫は今も手作業で、今回みんなが体験したように、一つひとつ手で切ります。育ち切るまでに全部収穫しないといけないので、1日に、冬だと1000個、春だと2000個ぐらいを収獲します。

生産者の想い

僕たちは、良いもの、安心安全なものをみなさんに届けることを一番に考えています。最小限の回数で農薬をまき、虫が付かないよう防除して、一生懸命良いものをつくっています。僕たちが作った、地元・神戸市産のキャベツをみなさんに給食で食べてもらいたいという想いで、生産しています。

☆児童の感想

・収穫したキャベツは、大きくてずっしりして、おいしそうだった
・緑の濃いキャベツがいいと思っていたけど、白っぽい方がいいということを知ることができてよかった
・キャベツの芯が硬くて、収穫するのは大変だったけど、朝から仕事できるのはいいな、広い畑で働いてみたいな、と思った
・ぼくも花や野菜を育てたことがあるけど、どれだけがんばっても育たなかった。ほんとうに大切に、安心安全なキャベツを育てていて、すごいと思った
・収穫が大変なキャベツを、毎日朝早くから夜遅くまで、みんなのためにお世話してくれていることを知ることができてよかった。木下さん、お家の農家を継いで、おいしくて安全なキャベツを育ててくれてありがとうございます

「ありがとうございました!」

午後からの降水確率が50%以上という天候を気にしながらの収穫体験でしたが、活動中は雨が降ることもなく、収穫体験とともに生産者の貴重なお話も聞くことができました。
年間で学校給食に使用する神戸産キャベツは、全体量の50%程度、他の野菜と比べると、頻繁に給食に登場しています。
今度給食に登場したキャベツが、神戸産であればいいですね。

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