2025.02.25こうべの食育 「神戸っ子農業体験 ル*ル*ル プログラム」じゃがいもの収穫 「神戸っ子農業体験 ル*ル*ル プログラム」 じゃがいもの収穫 実施日:令和6年12月10日(火曜日) 参加校:白川小学校 3年生 60人 場所:神戸市西区岩岡町 協力:JA兵庫六甲岩岡支店 農業体験等を通じて、「育てる」「収穫する」「(学校給食で)食べる」の3つの「る」を児童が体験し、食について学ぶ「神戸っ子農業体験 ル*ル*ル プログラム」。 今回は、白川小学校の児童がじゃがいもの収穫を体験しました。 収穫当日はお天気も良く、比較的暖かい収穫日和となりました。 児童は、じゃがいも畑の隣に位置する、JA兵庫六甲岩岡支店に到着しました。 じゃがいも畑のそばには、可憐なコスモスがたくさん咲いています。 今回お世話になるのは、JA兵庫六甲神戸西学校給食ジャガイモ部会の部会長である西海さん。 校長先生のお話によると、社会科の副読本「わたしたちの神戸」にも載っておられる方だそうです。 西海さんより、じゃがいもについてのお話を聞きます。 「僕たちは、みなさんが学校給食で食べているじゃがいもを、ここ岩岡町で生産しているグループです。岩岡町の生産者は10人ほどですが、ほとんどが60歳以上です。今回収穫したじゃがいもは、全て学校給食に提供しますので、ていねいに作業してくださいね」 畑へ移動し、収穫のしかたを学びます。 「葉を引き抜いてもじゃがいもは付いてきません。引き抜いた葉の下にじゃがいもがあります。いきなりスコップを使うとじゃがいもに傷がつくので、まず手で土を掘ってください」 「一株でだいたい10個ぐらいは採れます」 「えーっ!そんなにー⁈」 じゃがいもが顔を出した瞬間 「あっ!おった!」と児童 西海さん「抜いた葉は谷に落とします」 児童「その葉は、踏んでもいいの?」 西海さん「いいよ。落とした葉は、畑にすきこんでしまうから」 「じゃがいもは下方向に連なって成長するのではなく、横に連なって成長するので、葉の横も探してみてください」 児童「よし、全部掘るぞーっ!」 西海さんが掘り起こしたじゃがいもを児童に見せる先生 児童からは、「すごい!たくさん出てきた!」という声 収穫開始! いよいよ収穫体験です。児童たちは畝に並んでいっせいに作業を開始します。 葉を抜いた下を掘ると、じゃがいもが顔を出しました。「あった!」「うわ、大きい!」と声をあげながら、どんどん収穫していきます。 葉を抜いて 軍手をはめた手で土を掘る 「じゃがいもいっぱい出てきた!」 深く埋まったじゃがいもは、傷つけないようスコップで掘る 「大きいの採れた!」 「こんなちっちゃいのもある!」 収穫したじゃがいもを持って記念撮影 収穫したじゃがいもは、軽く土を落として優しくコンテナに入れます。ゴシゴシ土を落とすと皮がめくれて学校給食に提供できなくなるそうです。割れているものや腐っているものは、畑の谷に残しておきます 自分の前のじゃがいもを収穫し終わると、「もっと掘りたい」「あっち掘っていい?」「こっちも掘っていい?」と、収穫を楽しんでいる様子。 「じゃがいも掘り楽しい?」と聞くと、「楽しい、もっと掘りたい」と児童。 決められた畝の中で、「まだ掘っていなさそうなところをもう少し探してごらん?」と促すと、まだ誰も掘っていない場所を根気よく掘り、その後もゴロゴロと出てくるじゃがいもを、楽しそうに収穫していました。 中には、「ボランティアで、農業の収穫を手伝ってるから、こんな作業は慣れてる」という児童もいました。 他にも、「さつまいもの収穫はしたことがあるけど、じゃがいもは初めて」という児童に「違いはある?」と聞くと、「サツマイモは葉を引っぱれば抜けるけど、じゃがいもは掘り起こさないと収穫できないから難しい」とのこと。 児童が、ある程度収穫したところで、西海さんたちが普段行っている、トラクターでの収穫を見せてくださいました。 「何するん?」「どうやって掘るん?」 と興味津々! トラクターの後ろから、ゴロゴロ出てくるじゃがいも 「うわ~!簡単に掘り起こせる!」と、児童からおどろきの声 収穫したじゃがいもの中からお土産用に、ビニール袋に入れられるだけ入れていいと言われた児童は、気に入ったじゃがいもを思いっきり袋に詰め込んでいました。数は少ないけれど大きいものを詰める児童、小さいものをたくさん詰める児童、様々です。 「いっぱい入れるぞ!」 「どれが大きいかなぁ?」 「これぐらいでええかな・・・」 「まだ入るはず!」 嬉しそうな後ろ姿 気に入ったじゃがいも、いっぱい入れたかな? 畑をあとにし、JA兵庫六甲岩岡支店に戻った児童を待っていたのは、嬉しいサプライズ! 岩岡健康ジャガイモ部会の女性のみなさんが、いっしょうけんめい収穫したみんなのために、早朝から準備して、揚げたてのポテトフライを用意してくださいました。 おいしい手作りのポテトフライをほおばった児童たち、「今まで食べたポテトフライの中で、一番おいしい~!」と、とても好評でした。 それを聞いた岩岡健康ジャガイモ部会のみなさんも、「そう言われるのが一番嬉しい」と、喜んでおられました。 たくさんの児童がジャガイモ部会の女性のみなさんを囲み、「こんなにおいしいポテトフライ、どうやって作るの?」と聞いたようで、後日、部会特製のポテトフライのレシピをいただきました。 ポテトフライのレシピは、以下リンクよりご覧になれます。 岩岡健康ジャガイモ部会特製ポテトフライのレシピ お世話になったみなさん JA兵庫六甲・神戸西学校給食部会・部会長の西海さん(前列中央)、JA兵庫六甲・岩岡支店の芝辻さん(後列左)と、岩岡健康ジャガイモ部会の女性のみなさん スイートコーン収穫でもお世話になっている安福さん JA兵庫六甲・神戸西営農総合センターの荻野さん 質問タイム 「質問がある人?」 「はい!」「ハイ!」 Q1: できたじゃがいもが、鳥に食べられたりしませんか? A1: じゃがいもは土の中で成長するので、鳥に食べられることはありません。 けれど、葉を、ヨトウムシやアブラムシ、テントウムシダマシ(草食テントウムシ)などの虫が食べてしまいます。すると光合成ができなくなり、土の中のじゃがいもが成長しないので、その予防はしています。 (光合成は、もう少し大きくなってから習います。それまで待ちましょう) Q2: 黒いビニールがかぶせられているじゃがいもと、かぶせられていないじゃがいもがあるのはなぜですか? A2: 今回収穫したじゃがいものように、冬に収穫するじゃがいもは、まだ暑い9月の上旬に定植します。そのため、ビニールをかぶせると暑すぎてじゃがいもが腐ってしまいます。 一方、夏に収穫するじゃがいもは、2月~3月の寒い時期に定植するため、黒いビニールをかけて土の温度を上げます。夏に採れるじゃがいもと、冬に採れるじゃがいもでは、育て方が違うのです。 Q3: 光合成は、葉がすると思いますが、まだ葉が生えていないじゃがいもは、どうやって光合成するのですか? A3: じゃがいもは、種となるいも(種いも)を土の中に植えて育てます。芽が出て葉が生えるまでは、種いもの栄養分で成長します。その後、葉が生えた時点から光合成を始めます。 (じゃがいもは、種を植えてできるのではなく、じゃがいも(種いも)からできるのですね。覚えておきましょう) Q4: 植える場所は、どうして山みたい(畝)になっているのですか? A4: じゃがいもは、成長するにつれ土を押しのけて、どんどん上に出てきます。じゃがいもが太陽の光を浴びると、緑色のじゃがいもになってしまい、体に悪影響を及ぼします。 (じゃがいもは、光に当たると、ソラニンやチャコニンなどの天然毒素がたくさん生成され、食べると食中毒の症状を引き起こす可能性があるそうです⦅インターネット情報による⦆) それをふせぐために、じゃがいもに光が当たらないよう、土をかぶせて山にしています。 さらに、水はけや通気性をよくし、じゃがいもがうまく育つように、畝立てをしています。 「ありがとうございました!」 令和2年の収穫体験後、新型コロナウイルス感染症の影響や雨天等により、中止となっていたじゃがいも収穫体験ですが、今回4年ぶりの実施となり、ジャガイモ部会のみなさんもたいへん喜んでおられました。じゃがいもの収穫を体験することで、児童自身が様々なことを感じたようで、たくさんの質問が生まれました。過去に体験したさつまいもの収穫との違いがわかった児童もおり、この収穫体験を通じて学び、成長できたのではないでしょうか。農業や食料生産について、関心を持つ児童が増えるといいですね。 児童より、お世話になったみなさんへ、お礼の手紙が届きました。その一部を紹介します。以下リンクよりご覧になれます。 ★児童より、お礼の手紙 Tweet Share