2024.01.31こうべの食育 「神戸っ子農業体験 ル*ル*ル プログラム」キャベツの収穫 神戸っ子農業体験 ル*ル*ル プログラム キャベツの収獲 実 施 日 : 令和5年11月28日(火曜日) 参 加 校 : 神戸市立盲学校 幼児、児童6人 実施場所 : 神戸市西区岩岡町(圃場) 協 力 : JA兵庫六甲 神戸西営農総合センター、農業生産者(JA兵庫六甲岩岡キャベツ部会) 農業体験等を通じて、「育てる」「収穫する」「(学校給食で)食べる」の3つの「る」を子供たちが体験し、食について学ぶ「神戸っ子農業体験 ル*ル*ル プログラム」。今回は、市立盲学校の子供たちがキャベツの収穫を体験しました。 はじめに、代表児童が挨拶をします。 「今日は、キャベツの収穫という普段できない貴重な体験を通して、農業や食料についても勉強したいと思います。」 農家の木下さんより、キャベツについて少しお話いただきました。 「キャベツにもいろいろな品種があり、植えるシーズンや品種を少しずつ変え、できたものから順番に出荷していきます。現在、岩岡のキャベツ部会では、2シーズン10種類ぐらいを順番に植え、育ったものから出荷している状態です。出荷時は、基本的に段ボール箱に入れます。今回収穫するのは、秋、冬(10月末~3月頃)に収穫できる、寒玉という巻きが硬くなるキャベツで、一番最初の収穫シーズン(10月末~11月頃)になります。キャベツがどんな風に植わっているのか、実際に触って体験してもらえればと思います。」 いざ、圃場へ 既に1度収穫が終わった圃場ですが、まだまだたくさんの大きなキャベツが一面に広がっています。 朝露を含んだみずみずしいキャベツ。 子供たちは手の感触で、キャベツを実感 木下さんは、ご両親と一緒にキャベツの収穫をされます。普段は畑に段ボール箱を並べ、収獲用の包丁で1個1個丁寧に切っては段ボール箱に入れ、1日だいたい500個ぐらい(段ボール箱70~80ケース分)を収穫されるそうです。3人で1日にこの量を収穫するのは、かなりの重労働ですね。 これから収穫するキャベツに触れた子供たちからは、収穫する前から木下さんへの質問が止まりません。 「これより太い芯のキャベツはありますか?」 「今、君が持っているキャベツのサイズぐらいが、加工するにも店舗に並ぶにも一番いい大きさだと言われています。芯の太さの違いはミリ単位なので、見てもわかりにくいと思うけど、この品種の特性上、そこまで大きいのはできにくいです。違うシーズンのキャベツやと、もう少し大きいのができるかな・・・」 「神戸市西区で育てられているキャベツはどんな品種ですか?」 「今回収穫してもらうのは、『泰山』という品種です。あとは、『藍天』や『冬美』『夢シリーズ(夢いぶき、夢舞台、夢ごろも)』などがあります。」 質問タイムの後、いよいよキャベツの収穫です。木下さんやJAの方々が、子供たちに優しく手を添えて、収穫のしかたを教えてくださいました。 「芯のところに包丁をあてて、体重をのせて、切る」 JAの方にも手伝ってもらって収穫 「採れた~!」 木下さんのご厚意で、ユズや里芋も見せていただき、大根も収穫させていただくことになりました。 キャベツに対して興味をもち、一心に質問する子供たちの熱意が、木下さんに伝わったのかもしれないですね。 キャベツ畑の横に植わっている、ユズの木 いただいたユズを匂って「いい香り!」 里芋畑 木下さんが、芋の塊を崩さないよう、すき間が大きめの「備中くわ」で土を掘り起こし、里芋の構造について説明してくださいました。 「収穫した小芋を種イモとして植えると親芋ができ、葉っぱが伸びて親芋が大きくなり、その周りに小芋がいっぱいつきます。たまに小芋よりもさらに小さい孫芋がついたりします。」 木下さんが掘り起こした芋を持ち上げて土を払うと、子供たちから歓声が。 「うわ~!いっぱい出てきた!!」 「どこ、どこ、どこ~?」 「すごーい!」 「普通の里芋は、茎(軸)が緑色ですが、今回収穫するのは、少し赤色をした、『赤芽大吉(あかめだいきち)』という品種です。」 これまで、親芋の周りに小芋がついた状態の里芋にふれたことのない子供たち、未知のものにふれる不安と期待でしょうか・・・ 「うゎ~!ちょっと待って、なにこれ?」 「なんやこれ!やばいな!(おもしろい)」 里芋への興味がおさまらない子供たちの様子を見た先生が「もっと理科的に観察したい」と希望され、今回掘り起こした里芋1株を、学校にいただくことになりました。 みんな、いっぱい勉強できたかな? 大根畑 一人ずつ、先生の力を借りて、順番に大根を抜きました。 待機している子供たちは、大根を抜いている子に声援を送ります。 「がーんばれ、がーんばれ!」 「うんとこしょ、どっこいしょ!」 いつの間にか皆の声が一つになり、大きくなっていきます。 「ぬけた!すごい!大きいよ!」と、先生方。 「とったど~!」と、子供たち。 無事大根が収穫できた後は、皆ニッコリ、いい笑顔でした。 大根畑の横には、じゃがいも、ブロッコリー、白菜が育てられていました。 じゃがいも ブロッコリー 白菜 大根 収穫後は児童が、お世話になった方々に、お礼の挨拶をしました。 「ここにキャベツが4000個植わってるって聞いて、めっちゃびっくりしました。野菜を育てるのは大変なんだと知り、丁寧に収穫しました。今日もらった野菜は、家で料理してもらって、おいしく食べたいです。ありがとうございました。」 最後は、木下さんにしめくくっていただきます。 「僕らは毎年いいものをつくれるよう、がんばって野菜を生産しています。今日体験してもらったのは、通常の生活では経験することのない、キャベツを収穫し、家に帰って新鮮なキャベツを食べるということ。これが、皆さんの貴重な経験になっていたらいいかなーと思います。ここは神戸市の端っこの田舎ですが、また機会があれば、たまに来て植わっている野菜を見ながら、ご家族や先生方とお話してもらったら僕らの励みにもなります。これからも、学校給食会を通じて新鮮なものを皆さんに提供できるよう、がんばっていきます。今日はありがとうございました。」 お世話になった人たちと、グータッチやハイタッチをした人からバスに乗り込み、帰路につきました。 今回、キャベツの収穫を体験した盲学校の子供たち。収穫前の野菜を手でふれて感じ、キャベツ1個、大根1本の収穫に苦戦して、農業の大変さを実感したようです。たくさんの質問を熱心に木下さんになげかける様子や、はじめと終わりのしっかりとした挨拶には木下さんも感心され、当初予定になかったユズや里芋、大根の収穫も体験させていただきました。子供たちにとって、きっと忘れられない貴重な経験になったことと思います。 ☆子供たちの感想 ・包丁を使って切り落とすのが大変だった ・1つ収穫するだけに時間がかかったので、農家さんが何百個も収穫するかと思うと、とても大変だと思った。感謝して食べようと思った ・大きなキャベツの葉っぱをちぎるのが楽しかった ・キャベツやほかの野菜を収穫できて楽しかった。苦手な野菜もおいしく食べることができた ・自分で収穫したので、初めて生でキャベツを食べた。みずみずしくておいしかった Tweet Share