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  • こうべの食育

農業体験「ル*ル*ルプログラム」にんじんの収穫

 
 

子どもたちに食についての様々な経験をしてもらうために、学校給食用の食材で「育てる」「収穫する」「食べる」の3つの「る」を体験する農業体験事業「ル*ル*ルプログラム」をJA兵庫六甲にご協力をいただき、実施しています。
今回は市立盲学校小学部と池田小学校2年生の子どもたちがにんじんの収穫を体験しました。

収穫日の前週に雨がかなり降ったため、収穫を予定していた圃場(ほじょう)から、急きょ、別の圃場で収穫させていただくことになりました。
バスを降りてから、圃場まで少し距離がありましたが、子どもたちはワクワクしながら歩いていました。
青空が広がる、とてもいいお天気で、着いた圃場ではにんじんの葉が青々として、とてもきれいです。

お世話になるJA兵庫六甲神戸西 学校給食ニンジン部会長の藤田さん、JA兵庫六甲の方に挨拶をし、西区の農業についてや、にんじんの栽培、収穫作業で気をつけることなどを聞きました。

西区は市街地が近くにありながら、自然に恵まれた緑豊かな土地で、田畑の耕地面積が神戸で一番大きく、農業に携わっている人も神戸で一番多いです。
そして、一般に栽培されているにんじんは二毛作※が多いですが、給食用のにんじんは、にんじんだけを年2回作る二期作※だそうです。
子どもたちが安心・安全に食べられるように、給食専用のにんじん畑で肥料や農薬の厳しい基準のもと、生産・収穫しています。
そんな農家のみなさんが手間ひまかけて大切に育てられたにんじんですので、収穫は傷をつけないように、そっと扱います。
 ※同一耕地に1回ずつ異なる作物を2度栽培することを二毛作という。これに対し1年に2回同じ作物を栽培するのを二期作という。

畝(うね)に沿って一列に並んでいきます。
足元の土がやわらかいので、うまく歩くことができません。
「こけそうー!」
「うわー!泥にはまったー!」

なんとかそれぞれ並んで、にんじんを収穫していきます。
「とれたー!」

土が雨でやわらかくなっていたので、茎の部分を持って上に引き上げると、スポッ!とすぐに抜けます。
子どもの力でも楽に抜けるので、子どもたちはどんどん抜いていき、あっという間に畝には収穫したにんじんが並んでいきました。

次は葉っぱの部分を切り取るための専用のハサミの使い方を教わります。
「かならずにんじんの部分を持って、茎のところを切ってください!手を切らないでくださーい!」
そして、きれいなにんじんを選ぶ基準も教えていただきました。
「市場に出荷できるにんじんは、大きすぎても小さすぎてもダメです。割れたり、二股や三股になっているものや、白いにんじんも出荷できません。形のきれいなにんじんを選んでください!」
にんじんは土から抜いてみるまで、どんな形や大きさになっているかわかりません。
せっかく抜いても出荷できないものがあります。

葉っぱの下の茎はちょっと切りにくそうでしたが、子どもたちは頑張って切っていました。
「葉っぱがいいにおい~!」
「切ったところがバラみたいー」
「葉っぱが8つあったから、葉っぱ六十四!」

最後に、にんじんを入れたコンテナを1ヵ所に集めます。
コンテナは重く、地面がちょっとやわらかいため、歩きにくそうです。
みんなで力を合わせなければ持っていけません。
「重いー!」
「こんな重いのもっていくん?」
「ちょっと重すぎるから、にんじん分けよ。」
疲れて途中で座り込んでしまう子もいました。

子どもたちがとても頑張ったおかげで、全部収穫できました。
「お礼として、にんじんをおみやげに持って帰ってください!好きなのを選んでいいですよ!」
と藤田さんがおっしゃると、
「やったー!!おみやげー!」
「どれにしようかなー?これ大きい?」
「これ持って帰ろうーっと!」
子どもたちは歓声をあげ、一生懸命に選んでいました。

「今日はありがとうございました!」
大きな声でお世話になった方々にお礼を言います。
子どもたちはドロドロになってしまいましたが、顔はスッキリと輝いていました。

いつも給食で食べているにんじんは、どんな人が、どんなところで作っているのか、どんなふうに収穫されて出荷されているのか、よく知ることができたと思います。
収穫したときの喜びと、大変さを知ってもらうことで、「食」について考える機会ができたのではないでしょうか。

藤田さんは、
「ちょっと足元が悪くて、ドロドロになったりと大変だったと思いますが、それをものともせず、一生懸命に収穫したことは貴重な体験になったと思います。農業は晴ればかりではありませんからね。大変なこともいっぱいありますが、その分、良いにんじんができたときの喜びもいっぱいあります。大事に育ててきたにんじんなので、おいしく食べてもらえると嬉しいです。みなさんが喜んでくれたので良かったです。」
とおっしゃっていました。

子どもたちの感想(原文のまま)
・「にんじんをほったら、一しゅんでどろだらけになってきもちわるかったけど、にんじんはすきなので楽しかったです。にんじんをいっぱいほったのでつかれました。また家にかえって食べてみて、先生においしかったよとつたえたいです。にんじんをたいせつに食べたいと思っています。」
・「にんじんはよこからぬくのではなく、まっすぐぬくと言うぬきかたまでくふうされてるなんて、すごいと思いました。はこぶのはとてもおもかったのでびっくりしました。にんじんってそだてるのがとってもたいへんなのをしって、にんじんをたべてのこすのが、すこしいやだなーと思えるようになったので、これからはにんじんをのこしたくないと思いました。」
・「『ズボッ』ぼくがにんじんの頭を両手でつかんで、力強く上にひっぱると、にんじんが地上に飛び出した。にんじんの葉はしゃがんだぼくの顔ぐらいの高さに広がっていました。食べるところは、ぼくの両手からはみ出るぐらいの大きさで、ぼくはにんじん掘りに夢中になりました。」
・「私は、にんじんほりに行って、すごくおどろいたことがあります。それは上にグーっと引っぱると、スーっとぬけてしまったことです。こんなにスーっとぬけるんだと初めてしりました。大きいのや小さいのまで、いろいろありました。二股に分かれているものや欠けているもの、口では言い表せないようなものもありました。畑に育っているにんじんはお店で売られているまっすぐなものだけではないんですね。自然ておもしろいですね。」

 

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