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  • こうべの食育

「神戸っ子農業体験 ル*ル*ルプログラム」たまねぎの収穫

 
 

神戸市学校給食会では、子どもたちに食についての様々な経験をしてもらうために、「育てる」「収穫する」「(学校給食で)食べる」の3つの「る」を体験する「神戸っ子農業体験 ル*ル*ルプログラム」を実施しています。
今回は御影小学校、浜山小学校、松尾小学校の子どもたちが、たまねぎの収穫を体験しました。

一昨年と昨年は新型コロナ感染症対策のために中止になったので、今年は3年ぶりのたまねぎの収穫体験です。梅雨に入る一歩手前で、3校とも無事に収穫体験ができました。
今回体験させていただいたのは、北区大沢町の農業生産者・大家(おおいえ)さんの圃場(ほじょう)です。

お世話になった方々
(左)北神区役所 大沢出張所 高見所長
(中)大沢町農業生産者 大家さん
(右)北神区役所 大沢出張所 下手係長

初めに「上大沢(かみおおぞう)ふれあい会館」で説明がありました。
最初は大家さんからのお話です。
「まず最初に言っておかなければいけないことがあります。今年のたまねぎはちょっと小さいです。サイズでいうと、SからMぐらいがほとんどです。
昨年の11月に植えて今年の6月まで育てましたが、今回の冬がとても寒かったのと、強い風が吹いてマルチシート※1が飛んでしまい保温がきかなかったので、あまり大きくなりませんでした。でも、小さくても中身はしっかり詰まっていて、味もおいしいですから、いっぱい掘って持って帰って、家ですべて食べてください!」
次に給食会からのお話です。
「今日は3つのことを覚えて帰ってください。ひとつめは『感謝』です。何に感謝をするか、よく見て聞いて考えてください。ふたつめは『手・口・耳・目・鼻・体で体験』してください。実際に体験することは貴重な経験になります。最後みっつめは『心におみやげ』を持って帰ってください。今回の体験でわかったこと、感じたことを心に残して、お家で話してみてください。」

※1 マルチシート:黒いビニールシートで、畝に貼ります。効果として ①雑草を生えにくくする ②土や肥料が雨で流れないようにする ③保温・保湿をする ④病害虫を防ぐ、などがあります。

今日の圃場の様子はどうかな。

たまねぎは茎が倒れることで「収穫時期だよ!」と教えてくれます。

マルチシート※1 の下からたまねぎが顔を出して、収穫されるのを待っています。

子どもたちは畝にそって並んでいきますが、畝と畝の間には収穫日までに降った雨が残っていて水がたまり、やわらかい土に足をとられて子どもたちは大騒ぎです。
水たまりにはカエルもたくさんいて、ぴょん!とはねるたびにあちこちで歓声があがります。
「歩かれへん!こけるー!」
「くつぬれた~!どろどろやー!」
「なんか飛んだー!かえるやー!いっぱいおるー!」

「今日の作業の手順です。たまねぎは持って帰る分の10個をまず掘り出してください。掘り出したたまねぎは畝に並べてください。その後、ハサミで茎と根を切っていきます。切った茎は、隣の収穫後の畝にポーンと投げておいてください。畑の肥料になります!
はい!では収穫を始めてくださーい!」
「いっぱい掘るでー!」
「大きいのあるかなー?」

何個採れた?

1個め、2個め、3個め・・・

どれが大きいかな。

雨で土がやわらかくなっていたので、茎の部分を持って上に引き上げると、簡単に抜けます。子どもたちはどんどん抜いていき、あっという間に畝にはたまねぎが並んでいきました。
「もう10個掘っちゃったよ!もっと掘っていい?」

「茎と根を元から切ってください。手を切らないようにね!」

真剣に茎と根を切っています。

切り落とした茎は畑の肥料になります。

どれを家に持って帰ろうかな。

残った分はまとめて運びます。みんなで持たないと重いね。

収獲体験の後は自由時間です。
日頃、野山で遊ぶことはあまりないので、思い思いに自分たちで考えて遊びました。
カエルやイモリを追いかけたり、「ヤッホー!」と山に呼びかけて“こだま”を呼び出したりなど、子どもたちは創造性豊かに大沢の自然をとても楽しんでいました。

何して遊ぶ?

「せぇのーで、ヤッホー!!!」
こだま聞こえるかな?

いっぱい遊んで楽しかったねー!

「見て見てー!つかまえたー!」
カエルは捕まえ放題です。
左が「アマガエル」、右が「ヌマガエル」(お腹が白いです)

シロツメ草で作ったよ!

コオイムシ。絶滅危惧種です。

上大沢ふれあい会館に戻って質問タイムです。

Q. たまねぎはなんという品種を作っているんですか?
A. 「ターザン」と「もみじ3号」と言う品種です。「ターザン」はあまいたまねぎです。もみじ3号はうまく保存すれば冬まで持ちますよ!」
Q. たまねぎはどうやってできますか?
A. たまねぎも種からできます。種から苗を作り、苗を畑に植えます。たまねぎは花が咲くと固くなってしまうので、つぼみが出てきたら取ったり、咲く前に収穫します。だから、花を見たことがある人は少ないんじゃないかな。たまねぎの花は、ねぎと同じような花で、小さな花がたくさん集まった丸い形をしています。
Q. 畑の周りに張ってある線みたいなのはなんですか?
A. 動物から農作物を守る柵(さく)です。電気が流れてます。人が触ったら静電気みたいにピリッとするぐらいだけど、動物はびっくりしますよ。イノシシやアライグマなどに荒らされないようにするのが大変です。
Q. どれぐらいの量のたまねぎを作っていますか。
A. 今回は3校がたまねぎの収穫体験をするので、4,000個ほど作っています。

子どもたちからは他にもさまざまな質問が飛び出しましたが、大家さんはひとつ、ひとつ、ていねいに答えてくれました。

質問タイムです!

大きさと重さをはかってみました。
「何グラムあるんかなぁ?」
「私のはMサイズ?」

※2 一町四反 : 昔の面積の単位。現在の単位でいうと約13,860㎡で、
  甲子園球場のグラウンド面積(約13,000m² )より広い。
   一歩(いちぶ)     3.3㎡
   一畝(いっせ)      99 .0㎡
   一反(いったん)    990.0㎡
   一町(いっちょう) 9,900.0㎡

※3 酒米(さかまい):日本酒の原料となる米のこと。
  北区では日本酒の原料になる「山田錦(やまだにしき)」
  という種類の酒米を多く栽培しています。

大家さんより、
「今回のたまねぎは小さめだったから、収穫体験としてはちょっと物足りなかったかもしれないけど、小さくても大きいたまねぎには負けないおいしさだから、全部食べてほしいね。小さいものは、まるまんまスープに入れて食べたらおいしいよ。
足元が悪くて、かなりドロドロになったりと大変だったと思うけど、最後は広いところで思いっきり遊べたから楽しそうだったね。」
とおっしゃっていました。

いつも給食でたべているたまねぎや、スーパーで売っているたまねぎが、どんなところで、どんなふうに育って収穫されているか知ることができたと思います。
また、気候や天気、動物などによって作物の採れる量が変わることもわかり、収穫できることが簡単ではないということも知ることができました。
自分たちがいつでも食べられるということは、さまざまな人の努力があるからできているということを考える機会になったと思います。

子どもたちの感想(原文のまま)
・「いつもはできない体験をありがとうございます。私はたまねぎをスーパーでしか見たことがなかったので自然のたまねぎを見てびっくりしました。なぜかというと、お店でははえていない部分(くきや根)を見てびっくりしました。」
・「たまねぎ収穫楽しかったです。農家のみなさんがこんなに大切に育てていることをよく感じられました。」
・「たまねぎをつくってくださってありがとうございます。一番こころにのこったのは、たまねぎのぬきかたです。そのままひっぱるということをはじめてしりました。」
・「玉ねぎをそだててくださってありがとうございました。オニオンスープを食べたらすごくおいしかったです。」

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