2023.08.29こうべの食育 「神戸っ子農業体験 ル*ル*ルプログラム」田植え 実 施 日:令和5年6月23日(金曜日) 参 加 校:西舞子小学校 3年生 45人 実施場所:神戸市西区櫨谷町(圃場) 協 力:農業生産者、JA兵庫六甲 神戸西営農総合センター 櫨谷支店 神戸市学校給食会では、子供たちに⾷についての様々な経験の機会を提供するため、学校給⾷⽤の⾷材を「育てる」「収穫する」「(学校給⾷で)⾷べる」の3つの「る」を体験する「神⼾ っ⼦農業体験 ル*ル*ルプログラム」を実施しています。 今回は、神⼾市⻄区櫨⾕町(はせたにちょう)の農業⽣産者・⼩池 潤さん指導のもと、西舞子小学校3年⽣の子供たちが⽥植えを体験しました。 当⽇の天候は曇り。気温もそれほど高くなく、田植えしやすい気候となりました。 バスを降り、橋を渡って小池農園こめハウスへ。トイレ休憩の後、5分ほど歩いて田んぼへ向かいます。 小池農園こめハウスへ 田んぼまでは歩いて5分ほど 急な坂道もある まずは学校給食会から、西区や北区では農業が盛んに行われ、作られた野菜や米が給食に使われていることや、田植え体験の趣旨について説明します。 次に、小池農園こめハウス・小池さん登場、田植えのコツを聞きます。 お米のかぶりもので登場した小池さん 苗の束を渡すので、利き手の3本の指(親指・人差し指・中指)で、根っこが着いた状態で3本ずつちぎってください。 JAのお兄さんたちがブルーのポイントがついたロープを張るので、皆1列にロープの前に並んで、ブルーのポイントのところに3本の指で3本の苗を1人3か所植えていく。終わったら皆で1歩下がる。 またロープが目の前に来るので、3本の指で3本の苗をとって、ブルーのポイントのところに3か所植える。これを繰り返します。 秋にお米がとれないとご飯が食べられません。稲の苗1本はお米1粒からできていますが、この1本が秋(田植えから半年後)にはだいたい800粒になります。800粒というと子供用のお茶碗1杯分ぐらい。1年365日、皆1日1~3食はお米を食べているよね?自分が食べる分だけ、今日は頑張って植えてください。 ※1本の苗にできる米粒の数は、米の品種等により異なる場合があります ブルーのポイントが ついたロープ 子供たちは昔ながらの方法である「手植え」を体験しますが、現在は機械(田植え機)で植えるそうで、まずは先生が田植え機を体験。子供たちはそれを見守ります。 「皆にも田植え機体験をしてもらいたいけど、代表で先生に乗ってもらいます。気になったことは後で先生に質問してくださいね。」と小池さん。 大きなエンジン音! 田植え機が動き出すと、「すご~い!」と子供たち。 田植え機に乗った先生、戸惑いながらもリズムに乗って、きれいな直線を描いて苗を植えていきます。 小池さんから田植え機操作の説明を受ける先生 一定の間隔で慎重に苗を植えていきます 次の先生にバトンタッチ どんどん植わっていきます 「乗りたいな~」 何もなかった田んぼが・・・ このとおり! さあ、いよいよ子供たちも田植え体験です。皆ビーチサンダルを脱いで裸足になり、苗のかたまりを受け取って田んぼに入ります。 「最初に入る勇気がある人―!」と呼びかけると、「はーい!」と手をあげた5人ほどの児童が先頭を切って田んぼに入ります。さすがは有志、ふくらはぎぐらいまで水がある歩きにくい田んぼの中を、ものおじせずサッサッと進んでいきます。それに続いて皆も田んぼに入ります。 「ぎゃー!冷たい!」「気持ち悪い~!」「こけそう!」水の冷たさと慣れない泥の感触に、声をあげる子供たち。 大人たちが「がんばれ~」と声援を送ります。 JA兵庫六甲の職員さんが張ったロープの前に、等間隔で1列に並び、第1回目の田植えです。 3本の苗を3本の指で持って、苗が浮かないようにしっかり植えていきます。 1列が植え終われば1歩下がり、ガイドになるロープをずらしてまた植える。これを7回ほど繰り返します。 途中、苗がなくなった~!という子供たち続出。 時にはしりもちをついたり、皆ドロドロになりながら一生懸命田植えをしました。 「ロープのブルーのポイントどこだ~?」 おぉっと、危ない! 「浮かないようにしっかり植えてね~!」 「次の苗くださ~い」 「次の苗、投げるから受け取ってね!」 「だんだん慣れてきたね」 最初は皆戸惑いながら植えていましたが、だんだん慣れてきて、最後の方になると手際よく植えられるようになっていました。疲れもあってか、ところどころ植付けが甘くなっていたりもしましたが、そこはご愛嬌です。 最後まで植えたら脇(あぜ道)に上がって一列に並び、足洗い場へ向かいます。 「楽しかった?」 「楽しかった~!」「もっとやりた~い!」 足洗い場では蛇口5つとホース1本に並んで、順番に泥を落とした後、着替えに向かいます。 皆もう服が濡れることなんて全然気にしていません! 落ちにくい泥をバシャバシャと水をかけながら手でしっかりこすって、終わったら次の人と交代。 着替えを済ませたら、こめハウス前へ集合。最後の質問タイムではたくさん手が上がりましたが、時間がないので2人だけ。 小池農園ではお米の他にも、小麦や大豆、デントコーン(牛のエサになるトウモロコシの一種)、キャベツなどを栽培されています。畑の広さを甲子園球場に例えると、デントコーンは2つ分ほど、キャベツは1つ分ほど。そのキャベツは、なんと約16万個も収穫されるそうです。 「すごーい!広―い!そんなにたくさん?」と子供たちは驚いていました。 田植えを体験し、農家の皆さんの大変さがよくわかった子供たち、給食も感謝して残さないように食べてねという問いかけに、「はい!」という大きな返事。 お世話になった人たちに「ありがとうございました!」と、手を振って元気にバスに向かいました。 子供たちが帰った後、小池さんがこんなお話もされていました。 「自分の手で苗を植え、この1本の苗でどれぐらいのお米ができるのかなど農家の大変さを知り、家や給食などでお米を食べるときに、それを実感してもらうことが食育につながるのではないでしょうか。自然の摂理はおもしろく不思議なことがいっぱいなので、そこに疑問を持ち、それを知りたくて農業に携わったり研究したりする子供が育てばうれしいですね」 秋には稲の収穫体験です。自分たちが植えた苗がどんな風に成長しているか楽しみですね。 ★子供たちの感想はこちら イラスト入りの新聞にしてくれました Tweet Share