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「神戸っ子食育応援団」令和3年度まとめ

給食会の食育支援プログラム「神戸っ子食育応援団」令和3年度まとめ

食育は、生きる上での基本であって、知育・徳育・体育の基礎となるものであり 、様々な経験を通じて「食」に関する知識と「食」を選択する力を習得し、健全な食生活を実現することができる人間を育てることです。≫ (引用元:農林水産省|食育の推進

食育基本法が平成17年に制定され、基本法に沿って令和3年度から令和7年度まで「第4次食育推進基本計画」が国によって策定されました。それに伴い神戸市でも令和3年9月から令和8年8月まで「神戸市食育推進計画(第4次)」を策定し、食育の推進を行っています。
農林水産省「食育基本法・食育推進基本計画等」のページへ
神戸市食育推進計画(第4次)のページへ

食育の推進に当たっては、教育関係者、農林漁業者、食品関連事業者等の関係者間の連携と、各分野における積極的な取組が不可欠です。食品関連事業者等は消費者と接する機会が多いことから、食育の推進に占める役割は大きく、様々な体験活動の機会の提供や健康に配慮した商品・メニューの提供、食に関する情報や知識の提供が求められています。

<食育基本法>
(食品関連事業者等の責務)
第十二条 食品の製造、加工、流通、販売又は食事の提供を行う事業者及びその組織する団体(以下「食品関連事業者等」という。)は、基本理念にのっとり、その事業活動に関し、自主的かつ積極的に食育の推進に自ら努めるとともに、国又は地方公共団体が実施する食育の推進に関する施策その他の食育の推進に関する活動に協力するよう努めるものとする。

近年、食品製造業、小売業、外食産業をはじめとした食品関連事業者等による食育活動は、CSR(企業の社会的責任)活動の一環など様々な位置付けで取り組まれています。具体的な取組内容としては、工場・店舗の見学、製造・調理体験、農林漁業体験、料理教室の開催といったもののほか、店舗での食育体験教室の開催、出前授業、食生活に関する情報提供など、幅広いものとなっています。

特にここ数年は、新型コロナウイルス感染症禍の中、デジタル化に対応した食育の推進として、オンラインを活用した食育情報の提供に、各企業は力を入れています。
(一財)神戸市学校給食会では、学校給食関連企業から提供のあった食育プログラムを「神戸っ子食育応援団」として冊子にまとめ、市内の小中学校・義務教育学校・特別支援学校に情報提供しています。
食育プログラム冊子 「神戸っ子食育応援団」

 
 

令和3年度、神戸市学校給食会では、講師が学校で対面で行う出前授業と、新型コロナウイルス感染症対策に対応したオンライン工場見学やオンライン授業を提供し、学校での食育を支援しました。
各企業の方は、子どもたちがいかに興味を持ってくれるか、楽しんでもらえるか、理解を深めてもらえるかなどを色々考え、様々な工夫を凝らしてプログラムを作っています。
今年度行われた食育プログラムの実施例をご紹介します。

<実施例:1>
「おなか元気教室」 神戸ヤクルト販売(株)   オンライン授業
令和3年9月30日 東落合小学校 2年生

通常は出前授業を行っていますが、今回は新型コロナウイルス感染症の対策のためオンライン授業を行いました。このプログラムは、「早ね、早おき、朝ごはん、朝うんち」をテーマに、健康のために、正しい食習慣・生活習慣を身につけてもらうことを目指しています。
・消化管模型
大きな模型を使い、腸の長さや働き、食べ物がいろいろな器官を通って便になるまでを学びます。
・排便の大切さ
うんちから学ぶ生活リズムや、おなかには菌がすんでいること、おなかの健康をうんちでチェックすることなどを学びます。また水槽を使った実験では、よいうんちは浮くのか沈むのか?など、クイズを交えながら排便の大切さを学びます。 「うんちはおなかのお便りです!」
・私の宣言
授業で学んだことを参考に、おなかを元気にするために取り組んでもらうことを、みんなに宣言してもらいます。
「しっかり朝ごはんを食べようと思います。」
「野菜をいっぱい食べて、ちゃんと早おきします。」

「こんにちは!おなか元気教室です。」

「おなか元気生活のポイントは、早ね、早おき、朝ごはん、朝うんちです。」

「小腸の長さはどれぐらいあると思いますか?」
「キリンの背丈より長い、およそ6メートルです。」

「どんな宣言にしようかな。」

<実施例:2>
「マヨネーズができるまで」 キユーピー㈱  オンライン工場見学
令和3年10月21日 板宿小学校 3年生

本来、実地で工場見学をしますが、新型コロナウイルス感染症対策のため、オンライン工場見学を行いました。オンラインでも理解できるよう、わかりやすく工夫されています。2人の案内人のうち、1人は工場の中を案内し、もう1人は詳しい説明やクイズを出して、楽しいマヨネーズの話をしてくれます。

工場見学では、商品の生産から箱詰めまでの様子を見ることができるほか、FA (ファクトリー・オートメーション:工場の自動化)システムや環境への取り組みなどもあわせて紹介していただきました。
今回オンラインで見学した神戸工場はモデル工場で、環境に配慮した省エネ設計や最新設備を導入し、マヨネーズの製造工程のほぼすべてが人の手を介さず機械化・自動化されています。様々な機械の中には、卵を1分間に600個のスピードで黄身、白身、殻に分けることができる割卵機があるなどと、普段は見られない製造工程の様子を見ることができます。

「オンライン工場見学へようこそ!」

「たまごのからは何に使われていますか?」
「おかし、肥料、チョークの全部です。」

「ワークシートに何を書こうかな。」

「授業をしていただいてありがとうございました!楽しかったですー!またねー!」

<実施例:3>
「神戸の農業」 JA兵庫六甲 西営農総合センター  出前授業
令和3年12月6日 本山第三小学校 3年生

JA兵庫六甲の方に、神戸の農業についてのお話と、農作業の効率化のために最近活躍しているドローンの実演をしていただきました。
・神戸の農業の現状について
農業に携わる人が減ってきています。その原因についてお話を聞きます。
・「こうべ旬菜」など、作っている作物について
神戸のどこで、どんな種類を作っているか、クイズ形式で学習します。
・農家さんについて
朝起きてからどんなことをしているか、農家の人の1日を追ってみます。
・最近の農業について
仕事の効率化と人手不足を補うために機械を使います。最近はドローンの導入により、農薬散布などにかかる時間が人が散布するよりも格段に短くなり、手間がかからないようになりました。
・ドローンの飛行実演
小型のドローンで、子どもたちをカメラで映したり、温度センサーを使って体温を測ってみたりしました。実際の農作業では、農作物の様子を圃場の中まで入らずにカメラで確認したり、温度センサーで植物の温度を測り、生育に影響が出ていないかを調べたりします。農薬散布用のドローンは大型なため、室内では飛ばせないので、間近で見学しました。

「神戸のどこで野菜が作られているでしょう?」
「西区で一番多く作られています。」

「こうべ旬菜のキャラクター、菜菜ちゃんです。」

「ドローンの温度センサーで、みんなの体温を測定しています。」

「カッコイイー!どうなってんの?」

 

畑の状態を確認するためのドローン
(カメラと温度センサー搭載)

 

農薬散布用のドローン
(機体の下の部分が農薬を入れるタンク)

 

<実施例:4>
「兵庫のりについて」 松谷海苔(株)  出前授業
令和3年12月22日 六甲小学校 4年生

給食に出てくる味つけのりについて、クイズ形式でわかりやすく出前授業を行いました。
実際に使用している道具を持ってきていただき、手に触れて体験できました。
・のりの歴史
いつ頃からのりは食べられて、どんな風に食べていたか、兵庫県ではいつから生産が始まったかなどを聞きました。
・生産状況
兵庫県はのりの生産が全国でもトップクラスです(令和2年度は全国3位)。瀬戸内の潮流と豊かな栄養によって生育が良いので生産量が多いのですが、それ以外にもカキの殻を使って育てる養殖の仕方を発見したり、特殊な収穫方法を考えたことで、大量に収穫できるようになったことを学びました。
・製造工程(映像)
いつも食べる形ののりになっていく様子を、映像で見学しました。
・のりの気持ちになってみよう!
実際に養殖で使っている網を使って、のりになったつもりで網の下をくぐってみました。
★子どもたちの感想はこちら

「のりはいつから食べられていると思いますか?」
「なんと、縄文時代から食べられています。」

 

「日本国内でのりの生産が多いところはどこでしょう?」
「兵庫県は全国で3番目に多いんです。」

 

カキの殻にのりの赤ちゃんを植え付けます

 
 

のりの収穫風景
網の下を船が潜って、下から刈り取っていきます

 

「のりの気持ちになって、網をくぐってみよう!」

 

<実施例:5>
トマトの苗 配布  カゴメ(株)   教材提供
令和3年度 28校 960株

2年前から、トマトジュース用のトマト「凛々子(りりこ)」の苗を、食品業者を通じて抽選で無償提供しています。
毎年人気で、令和3年度は54校の応募があり、そのうち28校に配布されました。
子どもたちが楽しく育てて、おいしく食べることで、「命への関心」と「感謝する心」が培われ、「野菜好き」になるきっかけとなればと活動されています。

~(一財)神戸市学校給食会は、これからも食育に取り組む学校給食関連企業と連携し、給食食材を通じて学校における食育の充実を図るべく努めていきます~

*「神戸っ子食育応援団」の食育プログラムは、下記の要件で公募し採用したものを掲載しています。
○(一財)神戸市学校給食会の登録業者及び関連メーカー企業であること。
○原則として、学校給食に関連した食育講座であること。
○極端な自社のPR、商品の販売等、営利を目的とした活動は一切行わないこと。
○講義等は事業者(企業)の社会貢献事業として行うこと。
○宗教、政治活動を一切行わないこと。
○学校教育上、不適切な活動は一切行わないこと。
○その他実施にあたっては、学校長の指示に従うこと。

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