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「神戸っ子食育応援団」腸からつくるウェルビーイングの初開催

森永乳業株式会社との協働! 出前授業「腸からつくるウェルビーイング」の初開催

~給食会の食育支援プログラム「神戸っ子食育応援団」~

神戸市学校給食会の食育支援プログラム「神戸っ子食育応援団」では、この度新たな取り組みとして、森永乳業株式会社と協働し、体のつくりや腸の働き、腸内環境の大切
さについて学ぶ出前授業「腸からつくるウェルビーイング」を実施します。

このプログラムを今年度初めて体験したのは、名谷小学校の6年生児童。
当日の授業の様子を報告します。

実施日:令和6年7月18日(木曜日)
参加校:名谷小学校 6年生 70人
協力:森永乳業株式会社

森永乳業の増家さん
神戸市灘区出身だそうです

講師は、増家(ますか)さん。
「森永乳業の支店や工場は全国にたくさんあります。神戸の摩耶にも工場があり、牛乳を原料にした様々な商品を製造しています。おいしいだけではなく、食べることで幸せな気持ちになったり、健康になるような商品をみなさんに届ける事を使命としている会社です。」

「森永乳業、聞いたことありますか?」
「はーい!」

テーマ:「100年を元気に過ごすために、お腹から健康になろう」

ポイント1:「100年を元気に」

日本人の平均寿命は、女性87歳、男性81歳ぐらいと、長寿の国です。人生100年時代の今、100歳まで元気に
過ごすにはどうすれば良いかを考えます。

イント2:「お腹から健康に」

「あなたは、あなたが食べたものでできている」という言葉のとおり、健康な体は自分が食べるもので決まり
ます。好き嫌いをせず、バランスよく、特に朝食をしっかり食べることが、いかに大切かを学びます。

お腹の中はどうなっている?
食べたものが食道、胃を通り、小腸(エプロンのオレンジ部分)、大腸(エプロンの黄緑部分)で消化・吸収されます

小腸と大腸の長さはどれぐらい?
代表の児童がエプロンの小腸(オレンジ)を引っぱります
さらに、大腸(黄緑)まで引っぱるとこんなに長くなりました

腸内細菌のお話
大腸には、40兆個、数百種類の腸内細菌がいるそうで、重さで言うと約1kg~2kg。
緑のおもり(2kg)を持って、腸内細菌の重さを実感してみました。

「思っていたよりも重い!」

気づいたことはワークシートにメモ

腸内細菌には、良い菌と悪い菌があります。食べすぎや好き嫌いで偏った食事をとると悪い菌が増えて、病気の原因になったりするそうですが、良い菌が増えると、臭くないオナラや健康なウンチが出る、花粉症や病気の予防になる、皮膚がきれいになり頭もよく動くと、良いことばかり。
「便秘」もお腹の健康に悪影響を及ぼすので、できるだけ恥ずかしがらずに、トイレに行くようにしましょう。

良い菌の代表のひとつに「ビフィズス菌」があります。乳酸菌も良い菌ですが、ビフィズス菌とは住んでいる場所、数、働きが違い、まったく別のものだそうです。大腸に住んでいる良い菌の数としては、ビフィズス菌が圧倒的に多いらしく、森永乳業は、約50年前からビフィズス菌の研究をしているそうです。

ビフィズス菌は、赤ちゃんの時にミルクを飲むことで増えます。けれど、成長とともに様々なものを食べるため他の菌も増え、ビフィズス菌がどんどん減っていきます。

ビフィズス菌
Y字型をしている

増えたビフィズス菌を減らさず、腸を健康にする「腸活」

1.ビフィズス菌をお腹に届ける

ヨーグルトは、腸にビフィズス菌を届けてくれる最適の食べ物だそうで、おいしく食べることで腸が健康になります。ただし、全てのヨーグルトに必ずビフィズス菌が入っ
ているというわけではないようです。

ビフィズス菌が入ったヨーグルトを試食しました。

「1個ずつどうぞ~」

「ビフィズス菌入ってるかな?」
パッケージの記載を確認

ヨーグルトを食べた子供たちの感想は、「めっちゃ、おいしい!」

2.ビフィズス菌のエサをお腹に届ける

ビフィズス菌はお腹の中で生きています。元気に働いてもらうため、エサをあげて育てることが大切です。
ここからは、クイズ形式で、ビフィズス菌について学びました。

第1問:ビフィズス菌が好むエサは?
答え:はちみつ、きな粉、さつまいも、バナナ、アロエ、グラノーラなどの食物繊維やオリゴ糖

第2問:街中で売られているビフィズス菌入りヨーグルトはどれぐらいある?
答え:全体の20%。意外に少ない

第3問:ヨーグルトを食べるのに良いタイミングは?
答え:食後が一番効果的。ビフィズス菌や乳酸菌などの体に良い菌は胃酸に弱く、食前に食べても、うまく大腸に届かない。食後は胃酸が抑えられ、ビフィズス菌が大腸や小腸まで届く

どの問題にも、たくさん手があがりました

質問タイム
Q: ヨーグルト以外で、ビフィズス菌が入っている食べ物はありますか?

A: ビフィズス菌が入っている食物は、ヨーグルト以外にはほとんどありません。ビフィズス菌は案外弱く、生きられる環境が限られています。例えば、酸素がいっぱいある空気中では、ビフィズス菌は死んでしまいます。
だから、酸素がない大腸などの器官だからこそ生きられる菌なのです。
ビフィズス菌を食べるには、ヨーグルトが一番いいです。

森永乳業は、来年行われる大阪・関西万博に参加し、ビフィズス菌や腸内環境の健康などのお話をされるそうです

☆子供たちの感想
・ヨーグルトにビフィズス菌が入っていることや、腸内に住んでいることを初めて知ってびっくりした
・ビフィズス菌の特徴など、知らないことを知れてよかった
・ビフィズス菌が花粉症に効くとは思いもしなかった
・ヨーグルトを食べる良いタイミングが食後と聞いて、これからは食後に食べようと思う
・腸内細菌がお腹の中に40兆個もいるのはすごいと思った
・(エプロンの)腸を引っぱったら、超長かった(笑)

講師の増家さんは、若い先生といった感じで子供たちも馴染みやすかったのか、終始和やかな雰囲気で授業が進みました。担任の先生が初めに「静かに聞く、でも盛り上がるところは盛り上がりましょう」と子供たちに話したとおり、クイズのコーナーでは、増家さんが「第〇問!」と言うたびに、全員で「ダーダン!」という効果音を入れたり、発言を求められる場面では、たくさんの児童が積極的に手をあげたり、授業を盛り上げていたようです。また、気づいたことがあれば、配られたワークシートに熱心にメモを取るなど、授業に真摯に向き合い、感想では、知らなかったことへの驚きなどを率直に語っていました。

今回のプログラムを通じて、普段あまり考えることのない腸の健康について考え、子供たちが自らの健康を意識して生活できるように願っています。

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