2023.01.31こうべの食育 「神戸っ子農業体験 ル*ル*ルプログラム」キャベツの収穫 農業体験等を通じて、子供たちに食について考えてもらうために、「育てる」「収穫する」「食べる」の3つの「る」を体験する農業体験事業「神戸っ子農業体験 ル*ル*ルプログラム」を学校給食用の野菜を生産する農業生産者グループやJAと連携して実施することで、学校の食育支援を行っています。 昨年の11月から今年の6月まで、こうべ旬菜のキャベツが給食に提供されます。それに合わせて、神戸市学校給食会では、今回初めてキャベツの収穫体験を実施しました。水木小学校4年生の子供たちがチャレンジしてくれました。 ●「給食でたべる神戸産」 動画シリーズ③ キャベツ (給食会の動画紹介ページへ移動します) ●「給食でたべる神戸産」 シリーズ⑬ キャベツ (給食会の紹介ページへ移動します) ●「こうべ旬菜」について (神戸市のページへ移動します) こうべ旬菜キャベツは西区の岩岡町を中心に平野町、玉津町などで盛んに栽培されています。 出荷が始まったのは昭和22年頃。県内でも有数の生産量を誇り、農林水産省の「野菜指定産地」に指定されたり、兵庫県認証食品の「ひょうご安心ブランド」に認定されたりしています。 岩岡町では「サンスイート」という種類を栽培しています。生で食べても芯まで甘く、ふわりと柔らかい葉が人気です。 当日はすっきりと晴れて寒くもなく、収穫にはもってこいの日和となりました。 圃場には、大きくて、とてもきれいなキャベツが並んでいます。 朝つゆにぬれてきらきら輝いています。 お世話になるJA兵庫六甲 こうべ旬菜キャベツ部会 副部会長の木下さんに挨拶をし、お話を聞きました。 「神戸産キャベツはほとんどが岩岡町で栽培されています。スーパーなどに行ったときに、キャベツの産地を見てみてください。神戸産なら、岩岡町が多いと思います。 今日収穫するキャベツは、7月に苗を植えつけし、今ごろに収穫する冬キャベツです。 普段スーパーで見かけるキャベツはLサイズが多いと思いますが、今日収穫してもらうのは、2Lや3Lという大きいサイズです。子供の頭より大きい物もあります。大人より大きい物もあるかな。 圃場に入ったら、好きなキャベツを1個選んでください。収穫で使うのは大きな包丁で危ないですから、かならず補助する人の話を聞いて、一緒に収穫して下さい。」 左:JA兵庫六甲 こうべ旬菜キャベツ部会 副部会長 木下さん 上:収穫に使う包丁。刃の部分は20センチほどあります。 「包丁の持ち方はこう持ってね。」 真剣に説明を聞いています。 「奥の葉っぱをグイっと押し開いて、実をちょっと手前に倒すようにする。葉と葉の間に包丁を入れて、実と平行になるように包丁を押すようにして茎を切る。」 「重いなー」 「順番、まだかなー」 「切るのむずかしいー」 「この葉っぱ取ってええんかな。」 「包丁の先より、もうちょっと真ん中よりが切りやすいよ」 校長先生も挑戦です! 2クラスで交互に収穫しますので、1クラスが収穫しているあいだ、もう1クラスは圃場の周りの畑やハウスなどを散策し、自分が興味のある野菜を観察します。 とうがらし、かき、ゆず、大根、じゃがいも、ブロッコリーなど、さまざまな野菜や果実が栽培されています。 「小松菜のハウスの中はあったかーい!」 「あの赤い実は何かな?」 となりの圃場で出荷しない規格外のキャベツを、好きなように採らせていただきました。みんなコツがわかると素手で次々収穫です。 「めっちゃ楽しいー!」 最後に、質問タイムです。 Q.レタスとキャベツの違いは何ですか? A.レタスはキク科の仲間で、キャベツはアブラナ科の仲間です。あんまり見たことがないと思うけど、キャベツの花は菜の花と似ています。 Q.キャベツと紫キャベツの違いは何ですか?紫があれば、青いキャベツもあるんですか? A.大きさは紫キャベツの方がちょっと小さいです。味は普通のキャベツとそんなに変わりはないけど、紫色の元になるアントシアニンという色素が多いです。キャベツに限らず、青い植物を作るのはむずかしいね。キャベツで青いものは、もしかしたら今後できるかもしれないけれど、今の時点ではできないかな。 Q.どれぐらい収穫するんですか? A.1日1000個ぐらいで、全部で5000個ぐらいですね。 Q.おいしい食べ方を教えてください。 A.冬キャベツは少し葉が厚めなので、お好み焼きとか、炒め物にしてもらったらいいね。火が通ると甘くなっておいしいよ。 「収穫したキャベツは、箱に入れてJAに運びます。1箱でだいたい12キロちょっとあります。実際にどれぐらいの重さか、持ち上げて体感してみましょう。」 子供たちは交替で箱を持ち上げてみました。まったく上がらない子もいれば、えい!っと言いながら持ち上げる子もいました。持ちあがったら拍手がわきました。 「こんな重いのを何箱も運ぶの、大変やー!」 木下さんは、 「今日採ってもらったキャベツを持って帰ったら、すぐに生で食べてみてください。新鮮なキャベツなので、やわらかくて甘いです。 スーパーのキャベツは、JA、市場を通ってスーパーへと順番に配送されていくので、神戸市内でも2、3日かかって店頭に並びます。他の地域からであれば5日ぐらいかかるものもあります。 ですから、今日みんなに採ってもらったキャベツが一番新鮮なんです。よく味わってもらえたらと思います。」とおっしゃっていました。 天気が良く暖かかったので、昼ご飯は圃場の近くの公園で食べました。 昼ご飯を食べたあとはJA兵庫六甲 神戸西営農総合センターに移動し、職員の日置(ひき)さんの案内で、さまざまな施設の見学をさせていただきました。 <カントリーエレベーター>(左) 後ろに見える巨大な倉庫で米の乾燥・調製・貯蔵を行います。 上の写真はカントリーエレベーターから出た大量の籾殻(もみがら)の山です。これは畑などの肥料に再利用されます。 <育苗センター> さまざまな苗を育てています。キャベツの苗もここで育てられました。 「かわいいー!小さいのがいっぱい出てるー!」 <選果場> 大量のキャベツは飲食チェーン店のぎょうざなどに使われるそうです。 「うわー!すごいいっぱいある!」 「これはどこで使うん?」 <選果場> 収穫された野菜や果物はここに集められ、色や大きさなどで分けて、箱詰めされていきます。 「今オレンジ色のトマトは何日で赤くなると思いますか?」 「1週間ぐらい?」 「答えは2日ぐらいです!」 ちょうど、給食用にきれいに洗ったにんじんを、乾かしていました。 「給食に出るにんじん好きな人ー!」 「はい!はい、はーい!」 <集配場> 圃場でお世話になった生産者の木下さんのキャベツが、ちょうど集配場に届いていました。 <冷蔵庫> さまざまな葉物野菜が積まれています。キャベツもありました。中は8℃前後に保たれています。 「めっちゃ寒いー!」 最後に日置さんから、 「今日は野菜を収穫したあと、JAに運ばれてきてから、どんな作業をして、市場などへ出荷しているかを知ってもらえたと思います。 また、JAがどんなふうに農家さんと関わって、支援しているかも知ってもらえたかなと思います。 給食で神戸産の野菜が出たときは、今日のことを思い出しながら食べてもらえるとうれしいです。」とおっしゃっていました。 キャベツの一大産地である神戸の学校給食で、もっと子供たちにキャベツを食べてもらうにはどうすればいいのか? もともと、給食で使用されるキャベツは、スーパーなどでも見かけるLサイズがほとんどで、農家の方やJAに相談したところ、近年、2L、3Lサイズが多くできるので、できれば学校給食でも使ってほしいとの話しがありました。そこで、実際に調理を行う調理士さんの協力もいただき、昨年の11月から今年の6月にかけて、給食に提供するキャベツは、ほとんど全量神戸産を提供できるようになりました。農家の方も、JAの方も、大変喜ばれていました。まさに地産地消です。 給食でキャベツが出たら、大きなキャベツをちょっと思い出してみてください。 そして、キャベツに関わっているたくさんの方も思い出して、食べてくださいね。 ☆ 子供たちの感想 ・キャベツを切るのは初めてだったから、切り方も、どこを切ったらいいのかも分からなかったけど、農家の人に教えていただいたので上手に切れました。 ・キャベツをしゅうかくしにいって、キャベツはこうやって育てるんだとか、春のキャベツと冬のキャベツを知れてよかった。 ・兵庫区では、あまり自然がたくさんあるところは少ないし、野菜の話がくわしく聞けたり、野菜をじっさいにしゅうかくできたりしたのも初めてだったので、行けたことがとてもうれしかったです。他の畑で育ててあった、白菜、タマネギ、ジャガイモ、トウガラシ、ダイコン、ブロッコリーなどの野菜のことをもっと調べたいです。 ・ほかの畑にもゆずやとうがらしや大根やじゃがいもやブロッコリー、かきなんかもあってすごいなとかんじました。さらにそれぞれにおいがあって、ゆずはにおいはあまりしなくて、とうがらしはくさくて、大根はすっぱいにおいがして、じゃがいもは土のにおいがして、それぞれのとくちょうがあって、あらためてすごいなと思いました。 Tweet Share